旧校舎のディアボロス
イッセー初めての彼女
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だからな」
――歳って、まだ19でしょ?
兄さんは、明るい微笑みを見せてくれた。
出国する前のように。
家に帰る途中、兄さんと俺は近くの公園に寄り道している。
「……痛かったか?」
「……」
俺は無言で頷く。
そう……面をつけているにもかかわらず、鈍器で殴られたような衝撃だった……竹刀だけど。
「……ハハハ。あれでも結構手加減したんだぞ?」
「マジで?……じゃあ、どのくらいの割合でしたの?」
「ん?…そうだなぁ、一パーセント前後か?」
「いやいや。…たったそれだけで、あそこまで強いの?」
「それは、修行の成果だな」
「……」
マジで!?修行すると、そこまで強くなるの?
「ねぇ、兄さん。その修行の仕方お――」
「あの……」
俺がその修行について質問しようとしたところで、見覚えのない女の子が話しかけてきた。黒髪を腰の辺りまで伸ばし、結構可愛い顔立ちで俺より一回りほど小さく華奢な体。でも出てるところはしっかり出てるな。
――こんな女の子、知り合いにいたっけ?龍巳と白音ちゃんたちとの付き合いで女の子の知り合いはいるんだよな。でも、俺嫌われてるけど。………この子には会ったことないな。もしかすると、隣にいる兄さんの知り合い?
俺は目の前にいる女の子について頭の中で模索していると……
「あの……兵藤 一誠くん…ですよね?」
え?俺?兄さんじゃなくて?どっかで会ったことあった?
「あぁ、そうだけど……キミは?」
「あ、はい!私、天野 夕麻って言います。お話があって……少しだけ、お時間をいただけますか?」
「おっと……イッセー、俺は先に帰ってる。お邪魔虫は退散ってな?」
「……ごめんね、兄さん」
そう言うと、兄さんは先に帰って行った。……さてと、俺は彼女の話を聴くとしますか。
「……天野 夕麻さんでしたっけ? 俺に何の用ですか?」
「え〜とですね、その前に一つお訊きしたいことがありまして…」
そう言うと彼女は、上目遣いで目をうるうると潤ませながら俺を見てきた。あぁ、白音ちゃんみたいでめちゃくちゃ可愛い!!
「兵藤くんって、いま付き合ってる人とか…いますか?」
「ん?いや、そういった人はいないけど……どうして?」
……しかしなんだろう。さっきからなんか歯切れが悪いな。それにこの雰囲気。まるで……いまから告白でもするかのような――。
「本当ですか!?良かった〜!……あの!私と、私と付き合ってください!!」
「ほえ?」
――いま、なんて言ったこの娘?!付き合ってください?俺と?
予想通りきた言葉に、腑抜けた声を出してしまった!!
「私、あなたのことが好きで
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