第四章
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「じゃあこの連中は全員署に連行だ」
只の酔っ払いじゃない。銃刀法違反の現行犯だ。
それならだった。罪はかなり重い。確かに俺はお手柄になる。
けれどそれでもだ。今の俺にはそんなことはどうでもよかった。
妹がいるその店を守れてだ。ほっとしていた。
俺はそのほっとした中でだ。酔っ払い達をパトカーに放り込む。
その時にだ。店の方に見た。
妹が店の外に出て来ていた。その店の制服らしい赤いエプロンを黒のジーンズとブラウンのセーターの上から着ている。
見れば妹の他にも同じエプロンの娘がいる。その娘とあれこれ話をしていた。
「お店の中に入ろうとしていたみたいね」
「そうね。拳銃持ってる酔っ払いが」
「本当に危なかったわね」
「そうね」
こんな話をしていた。どうやら俺には気付いていないみたいだ。
俺は今警察の制服姿で帽子も被っている。だから顔はよく見えない。
その俺に気付かない様で。お店の娘と話していた。
「けれどお客さんに何もなくてよかったわ」
妹が言った。
「本当にね。私ね」
「うん、どうしたの?」
「やっぱりあれなのよね」
こうだ。笑顔で言っていた。
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