暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
コラボ
〜Cross world〜
cross world:交誼
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てとこか?」

「おそらくは」

ズズ、と少年の体格が一回りも二回りも大きくなったような気がした。同時に、背後の空間が、真夏のアスファルトの上に出現する陽炎のように捻じ曲がっていくのを、ソレイユは口をあんぐり開けながら見ていた。

『as排除……jslvm;排除sdf……dkmgbjl排vfa除vfsadmjdlvoretonivyti!!』

ゴウッッ!!と少年を中心に得体の知れない力が噴き出した。それは黒い煙のような形をとって、周囲を覆い尽くしていく。

「な、なにあれッ!?」

裏返ったマイの声が背後から聞こえる。

「レンの過剰光(オーバーレイ)に、似てはいますが……」

―――おーばー………何だって?

またも飛び出した意味不明単語に頭がハテナマークで埋め尽くされそうになるが、それを脇にブッ飛ばし、ソレイユは怒鳴るように女性陣二人に向かって口を開いた。

「……もう説明は後でいいよ。それより、あれの対処法は?できるだけ簡単なやつ教えてくれるとうれしいんだけど」

「では一つですね!」

即答で返された答えに面食らうソレイユの横で、巫女装束の女性は鞘に納めていた大太刀を涼やかな音とともに抜刀し、正眼に構えた。

赤みがかった黒を宿す瞳は閉じられていて、全身からはピリピリと帯電したような空気を放っている。

それを感じ取ったのか、対する紅衣の少年も無言でゆらりと両手を広げた。

「…………おい……」

「ソレイユ」

「なんだ?」

「――――幻惑魔法は、得意ですか?」

「………たしなみ程度だ」

黒衣の少年の、見え透いた謙遜が面白かったのか、クスリと闇妖精の女性は微笑んで言った。

「では、私の合図とともに、周辺一帯に特大の煙幕を。上下左右の方向感覚が分からなくなるほどだと、なお良いです」

「そりゃいいが、アイツ相手に生半可な逃げ足だと捕まると思うぞ」

「ええ、わかっています」

ソレイユが発した真正直な疑問に、カグラは静かに肯定した。その後ろから、違うんだよ、と幼くて真っ白な声が投げ掛けられる。

「マイ………」

「だったら、一生懸命逃げるだけかも」

そう言い切って、真っ白な幼女は薄っぺらな胸を張った。










人は塵に、塵は灰に。全てを、灰塵と化せ。

冬を越せ、冬桜(とうおう)

繚炎火乱(りょうえんからん)

呟くように流れたカグラの一言とともに、空気の根源的な質が変わったのを、俺は如実に感じた。

端的にはとても言い表せられないのだが、あえて言うならば《痛い》だろうか。

肌が、関節が、空気が、空間が痛い。

のどが張り付いて、呼吸をする事さえも困難になってくる
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