第二章
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第二章
「新宿署にですか」
「うん、転勤の話が出ている」
「そうですか。また急にですね」
「それでどうするんだ?」
署長室での話だ。それを聞いてだ。
俺は少しだけ考えた。その新宿といえば。答えはすぐに出た。
俺は署長にだ。強い声で言った。
「お願いします」
「転勤するんだな」
「はい、是非共」
その新宿署にだ。自分からも転勤を申し出た。
それを受けてだ。署長も微笑んで俺に言ってくれた。
「よし、じゃあ頑張ってくれよ」
「はい、気合入れていきます」
「知っての通り新宿署は大変な場所だ」
日本一の繁華街があればそれも当然だった。
そしてそこにあいつがいるからこそ。俺に迷いはなかった。
その俺にだ。署長はさらに言ってきた。
「だがそれでもだ」
「はい、頑張りますから」
「身の危険もあるからな」
署長は俺にこのことも言ってきた。
「用心はしてくれよ」
「わかってます。命あってですからね」
「そうだ。くれぐれもな」
こうした話をしてだった。俺は新宿署に配属となった。新宿署は確かにだった。
かなり忙しかった。特に夜はだ。
四六時中電話が鳴り響いてあちこちに出ないといけない。やれ酔っ払いの喧嘩だのやれ暴力バーだのやれ違法風俗だの。そして今もだった。
俺は先輩と夜の歌舞伎町を駆けながらこう言っていた。
「で、今日はあれですか」
「ああ、ヤクだ」
「ヤクの密売ですね」
「そうだ。ヤクザのな」
「本当にそんな話で一杯ですねここは」
「歌舞伎町だからな」
先輩も駆けながら俺に言う。俺達は丁度コマ劇場があった場所の前を走っていた。正直コマ劇場のことは知らないがそれがなくなると妙に寂しい。
その前を駆け抜けて。先輩は俺にさらに言ってきた。
「そういうのは日常茶飯事なんだよ」
「喧嘩とかもですね」
「虎が暴れる位は甘いものだよ」
酔っ払いがjだ。そうすることはだった。
「もう本当にな」
「ですね。ここは」
「注意しろよ。この前刃物出した馬鹿いただろ」
「ええ、三日前でしたね」
酔った若い奴がナイフ持ち出して振り回した。その時は俺達が何人も集まって何とか取り押さえた。
そのことをだ。先輩は言ってきたのだ。
「ああいうこともですね」
「それどころかな」
ナイフどころかという意味だった。
「銃出す奴だっているからな」
「ううん、本当に物騒ですね」
「それがここなんだよ」
新宿、そして歌舞伎町だった。そんな話をしながらだ。
俺は先輩と一緒に夜の街を駆けて現場に向かっていた。そうしてヤクの密売人を捕まえた。
とにかく夜は修羅場だった。そんな日々だった。だが妹はというと。
その歌舞伎町のすぐ傍のカラオケボックスで働き続けながらだ。明
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