憎悪との対峙
21 崩れていく社会
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側にいることを決めた。
しかし、ネットナビとして生きていくことに疑問を持ち始めていた。
熱斗の側にいれるのは嬉しいが、ネットナビやインターネットが人の醜い部分を増長させるのではないか。
それによって苦しむ人もいなくなるのではないか。
自分たちの存在がなければ、人はインターネットに変わる新しく誰も苦しまないシステムを生み出すのはないかと。
しかしはるかはそれを否定した。
「バカなこと言わないで....あなたは私たちの家族でしょ?ロックマン...いえ、彩斗。人はバカじゃない。きっとインターネットに依存しているこの世の中でも新しい道は見つかる。そのためにパパたちが頑張ってるのよ」
はるかはそう告げて、いつものように熱斗のための朝食をテーブルに並べた。
『インターネットシステムの復旧の見込みは今のところ最短で2週間という専門家の見解が出ており、一刻も早い回復が望まれています』
『インターネットがダウンした影響は現在ニホン全域、並びに近隣諸国などにも及んでおり、多くの住人の生活に支障が出ています』
デンサンシティの通称、電気街のビルに設置された大型のテレビを少年は見ていた。
多くの人々が行き交う大型交差点の近くのベンチに腰掛け、先程買ってきた新聞を見ていた。
今では紙の新聞というのは殆ど見なくなった。
しかしいざネットが使えないとなると情報伝達の手段はテレビか新聞に限られる。
その見出しは
『インターネットダウン!?ニホンの弱さ、世界に露見』
とあった。
もともと三流ゴシップと話題の新聞社のものだが、かなりの捻くれた一面だった。
だが的を射ているというのも確かだった。
「ふっ」
『どうしました?』
「いや、何でもないよ」
少年の耳には小型のBluetoothヘッドセットがあった。
それで昨日の眼鏡の男と通話しているのだった。
『取り敢えず、準備は整いました。これから警備員を拘束、人質となる生徒たちが数人登校するまで怪しまれぬようにする手はずが出来ています』
「そうか、まぁ正直、あの学校に関してはお嬢様やらおぼっちゃまやら芸能人やら人質にしては少数精鋭に出来そうな奴らばっかりだからな。あまり頭数を揃える必要はないだろう」
『了解しました。では20人前後の人数にします』
「ああ、それでいい」
少年は新聞をすぐ隣りのゴミ箱に捨てた。
そして周囲の状況を見渡した。
面白いまでに人間たちが無力だった。
ネットが使えない程度で慌てふためき、大騒ぎになっているのだ。
少年は笑みを浮かべずにはいられなかった。
『ところで....この代用計画はあなたの計画ですが...まるで獲物を誘き寄せる餌のよ
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