憎悪との対峙
21 崩れていく社会
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ていた。
『デンサンシティと才葉シティのインターネット制御システムはニホンのインターネット通信の中心と言ってもいいくらい重要なシステムなんだ。もしそれが使えないとすると、ニホン全体が文字通り陸の孤島になってしまったという事になる....』
「そんな...じゃあニホンは今....ホントに島国状態なのか!?」
熱斗も危機を感じ始めた。
インターネットは今、この社会を支えている最も重要なものになりつつあるのだ。
それは小学生の頃から嫌なほど教えられていた。
インターネットが社会の基盤となってしまい、それによって小学生のインターネット関連の『インターネット・リテラシー』やら『インターネット・ヒストリー』といった授業の時数はこの数十年のうちに大幅に増えた。
むしろ国語や数学の時数は減る傾向にあるほどに。
『それだけじゃない、見たでしょ?リニアバスが止まっていた。リニアバスは運営している都営交通管轄の司令室からの通信によって制御されてるんだ。でもインターネットがダウンしていてはそれが出来ない。今までシステムに頼りきっていた運転手たち、それもマニュアルだけで実際の運転経験が浅い人たちが運用すれば事故が起きかねないし、水道、電気はもちろん、一般の企業、特に海外進出しているグローバル企業もまともに仕事が出来ない状態になる』
「じゃあ...」
『これからの2週間はニホンの経済・治安が地に落ちることになる....間違いなく、このネット社会の歴史に残る大災害だ』
熱斗は凍りついた。
今、目の前で直面している問題は既にニホンだけの問題ではなくなっていた。
ニホンの経済に依存している国家も少なくない上、ニホンのインターネットシステムは世界の眺望の的だ。
それがダウンしたということはニホンの技術力にも疑問符が付き、ニホンの信頼にも関わる。
そこにニホンに対して批判的な国々、特にチョイナやコーレンなどが介入してきた場合、ニホンという国が危機に晒されているのだった。
「大変だ...」
『パパたちが頑張ってくれることを祈るしか無いよ...1日でも早く回復しないと...』
「そうだ、熱斗。パパがこれ、置いていったわよ」
はるかは熱斗に小さな箱を渡した。
そこにはiPhoneとバトルチップが数枚入っていた。
『メガキャノン』、『Zセイバー』、『ホーリードリーム』、『デルタレイエッジ』など、どれも強力なバトルチップばかりだ。
「スゲェ....どれもレアなチップばっかりだ」
「この機に乗じで何かあるかもしれないからって。あとこれ...」
「スマートフォン?」
「ええ、データ通信が使えないからIP電話も使えないの。でも従来の電話回線は生きてるから、これで電話は出来るわ。パパが後から電話するかもしれないからって」
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