As Final 「雪空の下で」
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だがこのまま別れた場合、はやてはどうなるだろうか、いや考えるまでもない。俺は一度経験があるのだから、どうなるかなんてのは目に見えている。
「みんなはどこにおるん?」
「連れて行ってやるから上に何か着ろ……俺が取ったほうが早いか。適当に取るぞ」
他人の部屋の引き出しを勝手に開けるというのは気が引ける。それが異性ならばなおさら。だが、急がなければ間に合わないかもしれない。
そんな雰囲気を俺から感じ取っているのか、はやては何も言わずに取り出した衣服を着た。
普段は地球での生活で魔力を使用しての身体強化はしないが、今回ばかりはそうも言っていられない。はやての身体に手を回し、世間で言うところのお姫様だっこで持ち上げ車椅子に移す。
外に出ようとした矢先、大人しくしていたはやてが口を開いた。
「ちょっと待って……あれもええかな」
彼女が示した先には、俺がプレゼントした防寒具があった。
「……必要なんだな?」
「うん……何か嫌な感じがして寒いんよ」
両腕で自分を抱き締めるはやてを見た俺は、黙って置いてあった防寒具を手に取る。手袋は渡して、マフラーは素早く彼女の首に巻きつけた。
他に何か必要か、と視線で問いかけるとはやては首を横に振った。俺は車椅子の背後に戻り、外に出ようと押し始める。
外は先ほどまでよりも雪が降っているように見えた。それが嫌な予感を強めているのか、はやてから発せられる雰囲気が暗い。そんな彼女を見た俺は、何としても儀式が終わる前に辿り着かなければならないと思った。
雪が舞い散る中、できる限りの速度で目的地に向かって行く。はやてとの間に会話はなく、耳に聞こえるのは俺の息遣いだけ。
「…………なぁ」
「ん?」
「身体……大丈夫?」
「あぁ……大丈夫だ」
普段ならば「今更だな。というか、大丈夫じゃないならこんなことしていない」といった風に返しているところだろう。だが今はそんな返事ができる雰囲気ではない。
はやては不安で仕方がないのだろう。話しかけてきたのも、それに押し潰されないようにするため。
普段の彼女から考えると俺のことをあまり心配していないようにも思えるが、今は彼女にとって大切な人が消えようとしているのだ。このような反応をするのは当然だと言える。
どれくらい時間が経ったのか、内心焦っていただけによく分からない。だが確実に目的地に近づき、遠目にだがリインフォース達の姿が見えた。魔法陣が展開されていることから、儀式はすでに始まっているようだ。
「リインフォース! リインフォース、みんな!」
はやては押し殺していた感情を爆発させるように声を上げた。この声にリインフォース達も気が付いたようで、全員の視線がこちらに向いている。
「はやて!」
「動く
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