As Final 「雪空の下で」
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そのあとアルフに注意する光景はとても和やかに見える。
いつもならばこの状況を眺めておくのも悪くないが、今はまだしなければならないことがある。俺は高町達からクロノへと視線を移しながら話し始めた。
「謝罪は後できちんとするよ。今は話の続きを聞かせてほしい」
「そうだな……君が気を失った後から説明したほうがいいか?」
クロノの提案に首を横に振った。
ナハトヴァールを破壊できたのは耳にしている。その結果だけ聞ければ充分だ。
「じゃあ話を進める。ナハトヴァールは破壊できたんだが、夜天の書本体が時期にプログラムを再生させてしまうそうだ」
「今度は……はやてや騎士達も侵食される可能性が高い。夜天の書がある限り、どうしても危険が消えないんだ」
「だから……彼女は今のうちに自らを破壊するように申し出た」
その場にいる全員の顔が暗くなっていく。俺は芽生えた感情を抑えきれず、壁を思いっきり叩いた。視線を向けられた気配を感じたが、それを気にかける余裕はない。
何でこういう結末になるんだ……。
はやてが助かることは喜ばしいことだ。だが彼女だけが助かっても誰も喜びはしない。特にはやては、一度繋がりを失っていただけに新たに出来たシグナム達との繋がりはとても深くて強いはず。彼女の心は、騎士達がいなくなったら砕けてしまうのではないか。
しかし、そう思う一方ではやては助かるのだと安心している自分もいる。そんな自分を殴りたくなる。
――くそ! ……何で俺はいつも無力なんだ。
デバイスの知識を持っていても、夜天の書を直してやることはできない。それはきっと天才的な頭脳を持っている叔母でも無理であり、残された時間からしても不可能だろう。だがそれでも、何もできない自分を責めずにはいられない。
「……全員消えるのか?」
「ううん、私達は残るの」
俺の問いに返事をしたのは、これまでこの場にいなかった第三者。視線を向けると、シャマルとザフィーラがこちらに向かって歩いている姿が見えた。近くまで来るとザフィーラが話し始める。
「ナハトヴァールと共に、我ら守護騎士も本体から解放したそうだ」
「ショウくん、身体の具合はどう? できる限りの治療はしたのだけれど、まだきつい?」
「いや……身体に問題は感じてない」
「そう、よかった。……あのね、リインフォースからなのはちゃん達にお願いがあるの」
「お願い?」
「うん……空に返してほしいんだって」
寂しげに呟かれたそれが意味しているのは、高町達に破壊してほしいということだ。
おそらく誰もがそれをしたくないと思いながらも、そうしなければならないと思っている。駄々をこねても何も変わらないこと、リインフォースが覚悟を決めているのだと感じているから。
高町達は普段のような元
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