新たなる力へ
Trick65_ちょっと正座して
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込んだ。
「隣、入るよ」
そう言いながら美雪は信乃の隣、露天風呂へと入って言った。
その距離も肩が触れそうな近くに。
「・・・・やだ断る」
「もう入った後だよ♪」
「それじゃ、俺が出る」
「待っててば♪ 話があるの♪」
露天風呂が濁り湯で良かったと心の底から信乃は思った。
視界の隅に捕えている美雪の裸は、肩から上しか見えない。
それはそれで扇情的な雰囲気を出しているが、ポーカーフェイスでやり過ごす。
とりあえずは、美雪が話したいことを聞く事にしよう、と意識を無理矢理に変えて聞く事にした。
「・・・分かったよ。で、なんだ?」
「ん♪
信乃、私は一緒にお風呂に入れて幸せだよ♪」
「・・・それだけ?」
「それだけ♪」
「心の準備が必要とか言ってなかったか?」
「『心の』とは言っていない♪
準備するっていうのは、湯船につかる前に頭や体を洗うことだよ♪
信乃の言葉を借りるなら『戯言だけど』って言うのかな♪」
「・・・・騙された。しかもお株を奪われた」
「修行が足りないですよ、旦那様♪」
「誰が旦那様だ、誰が。・・・俺、もう上がるから」
「もう少しゆっくりして言ったらいいのに♪」
「誰のせいだと思っている?」
「わ・た・し♪」
「分かって言っているのかい! しかも色っぽく言うな! 意識するだろうが!」
「え/// ん♪ 気を付ける♪」
「普通に照れるな! こっちだって照れるだろ///」
「////」
「////」
2人とも顔が赤くなっているのは温泉のせいでは無いだろう。
「そろそろ、俺は本当にあがる」
「あ、私も。
きゃ!?」
「////お前は馬鹿か? 大きなタオルも無いのに隠せないだろ・・・」
持っているのは小さなタオルだけ。それで胸と下腹部を隠すのは無理だ。
ついでに言えば隠すと言う事すら忘れていたから完全に見られた、至近距離で。
それに気付いてすぐに温泉に入った。
「あうぅ〜〜〜〜////」
「えーと、見てないからな、気にするな」
「嘘だ! 絶対に見られた!」
「・・・・」
「やっぱり見ていたんだ(泣)」
「ごめんなさい」
「///〜〜〜!」
「ごめんなさい」
「謝ればいいってものじゃないよ・・・・
そうだ、お相子にすれば良いんだ・・・信乃も見せて」
「そ、それは俺も晒せと?」
「・・・・」
「・・・・
わかったよ」
ザバンと立ち上がり、信乃は脱衣所へと歩き出した。
「ふぇ!?」
見えたのは1秒にも満たないが、ばっちりと美雪は見た。●R
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