新たなる力へ
Trick65_ちょっと正座して
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たくなり、口を噤んだ。
(・・・でもやっぱり目を覚ますためにお風呂には入りたいし・・・・
露天風呂は大丈夫かな?
確か紗和琥さんが24時間お風呂は大丈夫とか言っていたよね?)
そうと決まればと、立ち上がってタオルを片手に部屋を出た。
「ふぅ〜・・・・・いい湯だ」
軟膏を洗い流し、温泉に浸かって信乃は一息ついた。
旅館に来てから忙しく、昨日の寝る前の風呂はシャワーだけで済ませた。
今も、汗を流しただけで温泉に入るつもりは無かったが、
昨日と比べて心に余裕があったため、少しだけはと思い風呂に入った。
(・・・あいつのおかげ、かな)
信乃にとっては美雪という存在は大きい。
本人たちは無自覚だが、信乃が心に余裕が出来たのは美雪が治療を行ったからだ。
いつもは一人で戦い続けた。≪小烏丸≫を結成しても、A・Tの調律も
一人で請け負っているので、心では一人で戦うつもりでいた。
だが、頼んではいないのに美雪に助けてもらった。
その所為かどこか心が温まった。信乃は守りたい人に支えられた。
無意識の内に受け入れていた。
一人では無い事を知った。
「ハハハ・・・・なんか調子が良い」
不思議と笑みがこぼれた。
ガラガラ
「え?」
脱衣所の扉が開く音がした。
「・・・・・信乃?」
「お、おう。・・・・美雪、一応隠したらどうだ?」
「ひゃ!?」
信乃を返したものの、沈黙の間は美雪の一糸纏わぬ姿を見ていた。
もちろん、都合良くタオルで隠していたという事は無い。
完全に生まれたての状態を、信乃は見ていた。
やっぱりくっきりまったりどっきりはっきりゆっくりむっちりすっきりざっくりてっきりばっきりぼっきりめっきりしっとりうっとりさっぱりの絶妙のブレンドで見ちゃっていた。
美雪に指摘した時には、顔は反対側を向けていた。
「・・・・今から温泉か? 朝から良い身分だな」
「////信乃だって同じでしょ」
「・・冗談だよ。
俺はもう温泉を堪能したから出「待って!」 どうした?」
「信乃に、言いたい事があるの」
「それは風呂で話す必要は無いだろ」
「お願い」
「・・・・わかったよ」
「準備するから、少し待っていて」
「心の準備が必要って、何を話すつもりだ」
呆れながらも信乃は露天風呂から体を出そうとしない事を考えると、
どうやら聞き入れたらしい。
信乃の後ろか、髪を洗う音がする。
(なんだろう・・・・この気まずさは・・・・
やっぱり美雪を無視してあがろうかな。
でも・・・・)
などと考えている間に、視界の隅に綺麗な足が移り
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