暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
59話:希望(ひかり)≠ノ手を伸ばせ
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はが防御魔法で防ぐ。
爆破による煙や閃光で悪くなった視界が、次第に晴れていく。

「なんとか防げたね…」
「大丈夫か、なのはちゃん?」
「うん、あれぐらいなら」

前に突き出していた右手を開いたり閉じたりしながら、はやての言葉に笑顔で答えるなのは。
なのはのそんな様子を見て、フェイトが口を開く。

「皆…―――」

行くよ、と言おうとした瞬間。
フェイトの姿がブレ、その場から姿が消える。

「え…?」
「フェイトちゃ―――」

そして次の瞬間には、はやてが同じように消える。

「なん―――」

なのはも言葉を発しようとした瞬間、体に衝撃が走り視界がブレる。そして気づいた瞬間には、背中を地面に打ち付けられていた。

「あぐっ…!!」

その衝撃にのたうち回るなのは。周りを見ると、ビルに突っ込んでいるフェイトと、自分と同じように地面に倒れているはやての姿があった。

「うぐっ……な、何が…?」
〈 Clock over 〉

何が起こったかわからないなのはだったが、少し離れた場所に突如ディケイドが着地したような体勢で現れる。

現れる際に聞こえた音声。なのははそれに聞き覚えがあった。
確かあれは温泉に行った時の戦いのときに士が使ったものだった筈。あの時は彼の姿が消えて、怪人が動いたと思ったら突然爆発して…

「―――っ!」

士から説明されたのは、確か通常ではあり得ない高速移動だということ。
それが事実なら、三人は目に見えない速さで攻撃されたということだ。

「………」

すくっと立ち上がったディケイドは、ゆっくりとなのはの方へ向き、歩み始めた。
そしてライドブッカーを取り出し剣へと変え、刃先をなぞる。

「くっ…げほっ…」

ビルに突っ込んでいたフェイトの頭から血が流れており、その血は左目の上に流れていた。フェイトはすぐにその血を拭い、自分の衝突で大きく開けてしまったビルの穴の縁に立つ。

「いつつ…」
『マイスター、大丈夫ですか…?』
「そういうリインこそ…大丈夫か?」

地面に叩き落とされたはやても頭を抑えながら立ち上がり、周りを見渡す。
そこには丁度、ディケイドが剣を持ってなのはに歩み寄っている姿があった。

「まずっ…!」
「バルディッシュ、ザンバーフォーム!」
〈 Zamber form 〉

それを見たフェイトは、バルディッシュをフルドライブのザンバーフォームにして、ディケイドに斬りかかる。

「はあああっ!」
「っ、フンッ!」

だがディケイドは直前でそれを察し、自らの剣で受け止める。だが剣の質量の差、つまりは重さの差によって、ディケイドは押され気味になる。その証拠にディケイドの足元が、クレーターのように陥没する。

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