暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
59話:希望(ひかり)≠ノ手を伸ばせ
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った感情……人の優しさ、温かさに触れた時の感情だった。
(―――そうだ……俺は…俺は…!)
少年を包み込んだ光は、次第に灰色の世界をも飲み込んでいき、世界そのものを破壊した。
思わず目を瞑っていたなのはは、痛みがいつまで経ってもやってこない事に疑問を覚えた。
ゆっくりと目を開けると―――視界の少し上に、剣の矛先があった。
「っ…!?」
思わず驚いてしまうが、次の瞬間には疑問が浮かんできた。何故ここで刃が止まっているのか、と。
少し顔を上げると、目の前には変わらずディケイドが佇んでいた。
だがその腕は……微妙に震えていた。
「―――…な、何故だ…!何故腕が動かない!?」
そう叫んだのは、ディケイドだった。おそらく力を込めているんだろうが、震えるだけで動くことはなかった。
そしてディケイドは一歩一歩なのはから離れていき、なのはを縛っていた鎖が消える。
「なのは!大丈夫!?」
「なのはちゃん!」
ディケイドがなのはから離れた隙を見計らって、フェイトとはやてがなのはの元へやってくる。
「うん、私は大丈夫。けど…士君の様子が…」
「エイミィ、士に何か変化あった!?」
『魔力量や能力値が変動し始めてる!もしかしたら士君の意識が戻り始めてるのかも!』
後は魔力ダメージを思いっきり与えて、士君を起こすだけだよ! というエイミィ。
それを聞いた三人はお互いの顔を見合って、一回頷く。
「なのは、立てる?」
「勿論、行けるよ」
フェイトはなのはを引っ張って立たせる。そして三人は一様にディケイドを眺める。
ディケイドはまだ呻きながら、動きを見せない。これは狙い撃ちするのには、絶好のチャンスだが…
「っ…!」
なのはは苦い表情になる。今彼女が撃とうとしているのは、紛れなく士なのだ。
攻撃するにも躊躇してしまうし、もし次の攻撃で彼が目覚めなかったら、というネガティブな考えも浮かんでしまう。
そんななのはの肩に、フェイトとはやてが優しく手を置く。
「大丈夫だよ、なのは」
「フェイトちゃん…はやてちゃん…」
「士君を信じるんやろ?」
笑顔で声をかけてくれるフェイトとはやて。なのははそれに対して笑みを浮かべて頷く。
「行こう、フェイトちゃん、はやてちゃん」
「うん」
「それじゃ行こか!」
そう声を掛け合って、三人はディケイドから距離を取るように後方へ飛ぶ。
なのはとフェイトは着地した瞬間に、互いの魔法陣を足元に展開して重ねる。その二人の周りには、黄色と桃色の魔力スフィアが浮かぶ。
はやては少し上まで飛び、リインと再びユニゾン。ミッド式とベルカ式の魔法陣を
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