暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
59話:希望(ひかり)≠ノ手を伸ばせ
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ぇい…邪魔だ!」
「「うわぁっ!」」

二人は呼びかけ続けるが、ディケイドは遂に二人を振り払い、投げ飛ばす。
地面に転がる二人を眺めてから、再びなのはに向かう。

「士君…」
「………」
「…士君、私達士君がいなくなって…すごく辛かったんだよ…士君がいなくなって、皆寂しかった…」

ゆっくりとやってくるディケイドに、静かに語り掛ける。でもその言葉も、まだ士には届かない。

「いつも一緒にいてくれて…いなくなって初めて気づけた事もあったよ……」
「………」
「皆と一緒に…士君と一緒にやりたいことも、まだまだいっぱいある…」

そして遂に、ディケイドはなのはの目の前に立つ。それでも、なのははまだ語り掛けるのを止めない。

「なのは…」
「なのはちゃん…」
「話したいことも、伝えたいこともできた…」
「………」

なのはの言葉も空しく、ディケイドは剣をなのはの首筋に近づける。だがなのはも、そんな状況下であっても目線を逸らさなかった。

「だから、話させてよ…伝えさせてよ…」
「……言いたい事は、それだけか?」

ディケイドはそう言って、ゆっくりと剣を振り上げる。
フェイトとはやてがそれを見て立ち上がろうとするが、うまく立ち上がれずに地面に倒れる。

「なら―――」
「士ぁ!!」
「士君っ!!」

「―――死ね」

その一言で、ディケイドは剣を振り下ろす。

そして―――

「だから、戻ってきてよ―――士くぅぅぅぅぅんっ!!」

なのはの叫びが、海鳴の街を木霊する。





















灰色の海を沈む人影。

それはただ、沈んでいくだけしかしなかった。
そこには一片の光もなく、生けるモノはその人影したいない。

だが、人影に突如光が当てられる。

暗く形しかわからなかった人影は、光によってしっかり形が判別できた。
そしてその光はその人影―――少年の意識を復活させるに至らせた。

少年がゆっくり目を開けると、そこには鮮やかに光る球体があった。

―――■くん…!
―――■…!
―――■くん…!!

ぼやけて聞こえたその声は、確かに目の前の光から聞こえてきた。
目の前の光から漏れた粒子のようなものが、徐々に形を形成していく。

それは―――三つの子供の手。

少年は何を思ってか、その三つの手に向かって―――手を伸ばす。
するとその三つの手は、弱々しく差し出された手を握り―――少年を引っ張った。

少年は勢いよく光の中へ包み込まれ、視界は真っ白に染まる。
それと同時に、少年はその光に対しある感情を抱いた。

(あぁ…温かい…)

それはいつの日かから忘れ去られてしま
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