暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
59話:希望(ひかり)≠ノ手を伸ばせ
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煙幕が立ち込め、晴れた時には顔に血が流れているシグナムが倒れ伏していた。

「ぐっ…!」
「やはり貴様では役不足だったな、将よ」

ガシャン、ガシャンと一歩ずつ歩み寄ってくるシャドームーンを、シグナムは立ち上がろうとしながら睨む。
だが体の苦痛で立ち上がれず、地面に伏してしまう。

「よくこれだけの兵力で、我らと相対そうと思ったものだ。そうは思わないか、将?」
「くっ…ぬぅ…!」
「勝つ為には兵力と戦略が必要だ。その両方が満たされていない貴様らでは我らの計画は阻めんし―――」


―――何も守ることはできん。


その一言に、シグナムは表情を変える。そして再び立ち上がろうと、体に力を込める。

「ぐぅ…うおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」

彼女らしからぬ雄叫びが、海鳴の交差点に響く。そんな彼女の頭には、ある光景が映っていた。

―――それは彼女の主、はやてとその友人…なのはとフェイトの姿だった。


彼がいなくなって……士がいなくなって、彼女達は変わった。

なのははアリサのおかげで幾分マシにはなったが、それでも悲しそうな表情をしている時があると聞く。
フェイトは夜遅くまで仕事と勉強をしながら、士の捜索の手伝いをしていた。誰が見ても無理しているようにしか見えないが、彼女は誰にも弱音なんか吐かなかった。
自分の主は、夜中や一人でいる時、よく泣くようになっていた。一人で細々と、声を抑えて……


シグナムは片膝をついた状態になり、足に力を込める。さらにレヴァンティンを支えにして、腕にも力を込める。

「うおおおぉぉぉぉぉ!」


―――彼女達はどうして変わった?

―――どうして高町は悲しい表情をする?
―――テスタロッサは何故無理をしていたのか?

―――我が主は、どうして一人で泣いていた?


「うおぉおぉおおおおおおおっ!」

立ち上がったシグナムは、その瞳にシャドームーンを写し、剣を構える。

「我らにだって…絶対に守りたいものぐらい、ある…!」

彼女達の悲しむ顔は、もう見たくない……
彼女達には、辛いことを一人で抱え込んで欲しくない…!


―――彼女達の涙など…もう、見たくない!!


「我らは守護騎士…主の盾となり、(つるぎ)となる、それが我らのいる意味!それがなせねば、意味がない!」
〈 Explosion!〉

カートリッジが数発消費され、レヴァンティンの刀身に炎が灯る。
シグナムはすぐさまシャドームーンに切り込み、横から一閃。シャドームーンもすぐさま防ぐが、シグナムは即座に剣を離し、次は上から縦に振り下ろす。

「ヌッ!?」
「はあああっ!」

シグナムの雄叫びが響き、シャドームーンは力負けして後退する。シグナ
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