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リメイク版FF3・短編集
黒き稲妻・衝動・鉄球
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 ────くろい、いなずま? "私"のことか。そういうことに、しておこう。


「おれ、は…、信じて、る……。おまえは、
そんなのに、負けない、って……!」


 ────なにをいっている、このこぞう。なにをしんじる、だと─────?


「イングズは、イングズ、だから……、他の、誰でもない、おまえ、自身なんだ……。ダレが、なんと云おうと…! おまえは、おまえで、いいんだよ……!!」


 ─────なに ────?


 ──────!?


「ぐ…ッ、あァ……?!うぅッ……! 私、の……、中、から……、出てゆけ、"黒き衝動"!!」


 ────グオォオォォ ────!?!



「はぁッ、はぁ、はぁ………」


「げほっ、けほ、けほ……っ」


「大、丈夫……、ではないな、お互い………」


「へ、へへ……、どってこと、ねーよ…!元はといえば、おれが……わっ、イングズ…?!」


「届いていたよ、お前の言葉……。ありがとう、ルーネス」

「な、なんだよ…、今度は抱きしめかよ……。
さっきより、苦しくないけどさ。
────おかえり、イングズ」



 外はもう、穏やかに晴れ渡っていた。





END





"黒き稲妻"によって記憶喪失のイングズ────"黒き衝動"に駆られない場合の話 ↓



「 ………みず 」


「 ────へ?」


「水が、出ている。君の瞳から」


「あ……、水って────。なんだおれ、何泣いてんだろ……っ」


「 ないている ………? 」


「ちがうっ…、泣いてなんかないって……!ただの、水だから………あ」


「 ─────しょっぱいな、君の水」

「な、なに人の水拭って舐めてんだよ」

「 ………止められないのか、その水」

「止められるよ! ん〜〜……… だめだ、あとからあとから出てきちまう……っ。
男のくせに、なさけねーなおれっ……。涙流したって、失くしたもん還ってくるわけじゃないのに───── 」


「なみだ……? そうか、その水は、なみだ
なのか」


「そんなのどーでもいいんだよ! おれ……、おれはっ、エリアに庇われてしなせちまったのに………あんなこと、二度とおこしちゃいけないって……、なのにっ、同じようなことやらかして………今度は、イングズのことを─────
ごめん、ほんとに……!!」



「─────やさしいんだな、君は」

「なんで、そうなるんだよ……。やさしくなんてない! だったら、こんなことには …… ?!何、すんだよ……急に、抱き付くな…っ」



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