黒き稲妻・衝動・鉄球
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ままもがき苦しむようにベットの上でのたうつ。
何だよ、これ………あの黒い稲妻のせい、なのか……!?
とにかく落ち着かせようと、おれはイングズに触れようとするけど、逆に何度も手で払いのけられ苦しめるばかりで、何もしてやれない。
────そんなのは嫌だ、おれのせいなんだ、おれが何とかしてやらなきゃ。
……そう想ったら、腕に力が入った。いつもならイングズの方が力の強さは上だけど、今ならおれが上回れる。
ぎゅっと、抱き締めてやる。これでもかってくらい。苦しみを、忘れさせるくらい ────
「ごめん……、ほんとに、ごめん……! おれのせいで、こんな苦しい思いさせちまって……!
守るから、今度はおれが、守るから! 信じてくれ、そしたらきっと、おれは強くなれるから!!」
───── 雷鳴が轟いた。
どしゃ降りだ。
今、雷が落ちてきたって、おれが絶対守ってみせる。
今度こそ ─────
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
─────姫さまのことだけ見ていればいい。姫さまのことだけを─────
(どこの馬の骨とも知らん奴が、サスーン王と姫のお気に入りとは、な………)
(あれだけシゴいでやったというのにあの小僧……、少しは骨があるようだが、所詮は姫様の方があの小僧を"おもり"しているようなものだろう………)
(ふん、厄介者が …… !)
────云いたいやつには、云わせておけばいい。自分は、姫さまだけを ─────
(ふふ……、赤ん坊のあなたを最初に見つけたのはわたしなのよ、イングズ。……だからあなたは初めから、わたしの"もの"なの ──── )
それでいい。姫さまの"もの"なら、光栄じゃないか。
( ────いらないわ、やっぱり。結局あなた、
要らない子なのよ)
…………え?
(遊び飽きたの。光の戦士のまま、いいのよ帰って来なくて)
(そおだぜ、おれたちいらないものどおし、なかよくやってこおぜ〜!)
────だまれ! 自分は、姫さまと ………
(さようなら、わたしの遊び道具)
「 う……ッ、あァッ!! 」
「……っ!? イン、グズ……?!」
────なんだ、こいつは。"私"のじゃまを、するものか。こんなやわなクビなど、へしおってやる。
「あ…っ、ぐ……、やめ、てくれ、 イン、グ…!
おれ、だ……、ルーネス、だっ…… 」
─────るーねす? 知らんな。
「あの、黒い…、稲妻の、せいなんだ、な……。大、丈夫…、わかってる、から……。ごめん、な、おれのせい、で……っ」
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