第16話
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
子から立ち上がり、周囲を見渡すが悠斗の姿は無く、小十郎が驚いているだけであった。
「あ、揚羽様?如何なされましたか?」
「いや、何でもない我の思い違いだ」
我は再び椅子に座る。空耳かも知れないが悠斗の声が聞こえたのだ。
(我と悠斗は深い心の中で繋がっているのだ。だから、悠斗の声が聞こえた様な気がしたのだろう。だが、悠斗が我を見守ってくれている以上、我も負けていられぬ。老人どもに今度こそ買って見せる!)
我は小十郎に扇がれつつも、強い決意を固めて欧州に向かうのであった。
一方その頃
いきなり空に向かって指を指して、英語を叫んだ不動悠斗の行動を見ていた3人の女性が悠斗に話しかけた。
「悠斗。どうしたのですかいきなり?打ち所が悪かったのですか?」
「マルギッテか。いや、主に呼ばれたから、返事をしたまでさ」
「主って、お前な此処は中東だぞ?聞こえる訳が無いだろうに」
「違うぞセレン。俺には分かるんだよ。揚羽様が俺の名を呼んだことがさ」
「悠斗。医務室に行こう。医者に見てもらおう。場合によっては明日の出撃に影響するやも知れないからな」
「そうだな。流石に明日の決戦を前に影響があったら困る」
「いや、だから大丈夫だって!本当に揚羽様に向かって声を飛ばしたたんだよ!」
悠斗がいくら言っても二人は一切気に止めず、悠斗を引きずって基地の医務室に叩き込んだのは別のお話だ。
揚羽sideout
なごみside
今日は休日なため、のんびりと家の手伝いをしていた。3時になったので、3人でお茶を飲んでいると郵便配達のおじさんが手紙を届けに着たので、それを受け取り母さんと天王寺がいる茶の間に入り座った。
手紙の宛て先と送り主を確認していると、1つだけ目に止まる手紙があった。
「なごみちゃん。今日は何か手紙があったのかしら?」
「うん。母さん。ダイレクトメールと通販雑誌、それに悠斗からの手紙だね」
「あらあら。悠斗君からの手紙が着たのね。開けて見ましょう」
「うん。そうだね。開けてみようか」
私は備え付けしてあるペーパーナイフで手紙の封を切り、中から手紙を取り出す。私と母さんで手紙に目を通す。天王寺はのんびりとお茶を飲んでいる。
私は読み終えると手紙を机の上に置いた。
「で、今回はなんと書いてあったんだい?」
「天王寺さん。悠斗君は次の闘いが正念場と記していましたよ」
「となると、悠斗君が参戦してるのは十中八九、民主化を求めるデモを弾圧しようとして内戦になった中東だね」
天王寺と母さんが何か話しているが、私にはあまり気にしていなかった。どんなときでも私を救ってくれ、守ってくれる悠
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ