第16話
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、我々には切り札があります。悠斗君。此方へ』
ドイツ軍の上級将校が手招きすると、後ろに控えていた悠斗が上級将校の隣に立った。
『彼は一体誰ですか?』
『リボン付きと言えば分かりますかな?』
記者達がざわめく。皆一様に驚きの声を上げている。記者の一人がマイクを悠斗に向けた。
『あの。失礼ですが、伝説の傭兵と言われ、引退したと噂されたリボン付きの死神不動悠斗さんなんですか!?』
『ああ。リボン付きだ。エンブレムは戦闘服の左腕に付いている』
悠斗が左腕をカメラに向ける。メビウスの輪(メビウスリング)が描かれたエンブレムが袖に付いていた。他の記者達から質問が出る。
『ヨーロッパ最高の英雄と呼ばれながらも、何故引退されたのですか!?そして、いつ復帰されたんですか!?』
『現在お付き合いされてる方はいますか!?いなければ私と今夜ホテルに行きませんか!?』
『なに、抜け駆けしてるのよ!?私と如何です!?』
『切り札と言われていますが、何か策があるんですか?』
記者達が一斉に質問をする。悠斗は一つ一つ丁寧に答えている。
何人かの女性記者がふざけた事を抜かしていた。
(顔は覚えたぞ。我の悠斗に手を出そうとは100年早いわ!悠斗は我以外の女性には靡(なび)かぬわ!)
我が内心で怒りに燃えていると、ある記者が悠斗に質問する。
『今まで上げた戦果で勲章が新たに授与された事について、どう言った心境ですか?』
『まあ、俺は己が栄光のためでなく、俺が生涯忠を誓うあの方の為に捧げる勲章にしか過ぎませんからね。心境と言われましてもね』
悠斗は苦笑いしつつそう答えた。すると、記者達は蜂の巣を突いたかのように慌て始めた。
悠斗の周囲にいた軍人達も驚いている。
『え!!不動悠斗さんは、誰かに仕えているのですか!?』
『スクープだ!スクープだ!あの、リボン付きが誰かに仕えているぞ!!』
『ど、何方なんですか!?男性ですか!?女性ですか!?』
『あの、エリザベス女王陛下に仕えて欲しいと言われて、拒否をした事で有名なリボン付きが、まさか誰かに仕えていたなんて!?』
『記者の皆さん。落ち着いてください。質問には答えますから』
騒いでいた記者達が静かになり、悠斗に向かってマイクを向ける。
『俺が仕えているのは』
『仕えているのは?』
緊張の一瞬だ。マイクを向けている記者達は真剣な表情で悠斗を見ている。小十郎は真剣な表情でテレビを見つめている。 我は自身の名を呼ばれることを予期している。
『その方の名は九鬼揚羽様。俺が生涯忠を誓うと決めたお方だ』
『な、なんだってー!!』
『あの、九鬼財閥の長女の九鬼揚羽だって!?』
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