第16話
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小十郎side
悠斗が九鬼家を去ってから3ヶ月の月日が流れました。高校を卒業された揚羽様は九鬼財閥の軍事鉄鋼部門の責任者となられ、世界各地を飛び回る日々を送られている。
高校卒業後の揚羽様はショートカットであられた髪を伸ばしておられます。今は肩を少し越えた程の長さでセミロング程の長さになりました。
私と揚羽様は現在九鬼家専用のジャンボジェット機が中東付近を飛行しています。 揚羽様は現在飛行機の機内にある専用の 執務室で書類に眼を通しておられます。
山のようにあった書類に眼を通していましたが、漸く終わりそうです。
俺はミニキッチンに移動してコーヒーカップにコーヒーを注ぐ。
お盆にコーヒーカップを乗せてミニキッチンを出ると、揚羽様も書類に眼を通し終えた所でした。
「お疲れ様です、揚羽様。コーヒーが入りました」
「うむ。小十郎。頂くとするか」
揚羽様の前にコーヒーカップを出す。揚羽様のしなやかな指がコーヒーカップの取っ手を掴む。
コーヒーカップを口元まで運びゆっくりとコーヒーを味わう揚羽様。
一つ一つの動作に無駄がなく煌びやかに見える。
「ふぅ。やっと一息付けたか。やはり、財閥に入ってからは毎日が目まぐるしい早さで過ぎるな」
「そうでございますね。揚羽様。間を置かずに世界を飛び回る日々ですから」
「そうであるな。一昨日は日本。昨日は中国。そして明日には欧州か。移動している時くらいが休みなものか。明日会うのは何処の企業だったか?小十郎。報告いたせ」
「は!」
俺は胸ポケットに入れていたメモ帳を取り出して、揚羽様のスケジュールを確認する。
「はい。明日の欧州での予定ですが、最初はフランスの軍需メーカーデュノア社の社長殿と会合して頂き、昼食は欧州最大規模を誇るグループ企業インテリオル・ユニオンのグループ企業BFFの王小龍氏とイギリスのオルコット家の方々との会食。夕方から軍需メーカー、オーメル・サイエンスとのパーティーとなっています」
「また、王小龍氏か。あの老害め!また、私にちょっかいを仕掛けてくるつもりか!何時も何時も傍にいるオルコット家のリリウム・オルコットを持ち上げおってからに!ロリコン伯爵が!何時も煮え湯を飲ませおって!」
怒りにわらわらと震える揚羽様。正直傍にいる俺もビビる程だ。
(く!俺がもっと揚羽様の役に立てれば良いのだが、俺は悠斗よりも能力値が低いのが悔やまれる。悠斗ならば、揚羽様にこの様に煮え湯を飲まされる様な事はさせないだろうに!)
昔に比べたら遥かに俺自身のレベルは上がったが、それでも未だ九鬼家侍従隊の序列は3桁から抜け出せていないのだ。
揚羽様は落ち着きを取り戻す為にコーヒーを飲む。ゆっくりと落ち着きを取り戻された。
「ふう。我とした
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