志乃「こんなところで止まってんな」
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。別に、こいつに頭が下がらないわけじゃない。ただ、滅多に喋らない関係だからというだけだ。
俺は一旦一階まで降りて、志乃を先に目的地に行かせる。志乃は特に礼も言わず、すたすたとリビングに向かっていく。ったく、礼ぐらい言えばいいのに。
まぁあいつはどうでもいい。ひとまず俺は部屋に戻ってパソコンフィーバーしなければ。最近投稿されたボカロ聴こう。俺そんぐらいしかやる事無いし。つか、やる気無いし。
自室へ戻ろうと再び階段に足を踏み入れた俺。でも、それが現実に叶う事は無かった。
何故なら、俺の左腕を誰かが掴んで先へ行かせようとしないからだ。
用があるなら口開けよ。まぁ、そんな事いちいち言ってられないか。誰だ、母さんか?ばあちゃんか?ありえないけど、あの面倒な妹か?
溜息を吐きながら、掴まれた左腕の方に視線を移す。愚痴でも零してやるか。
「わざわざ腕掴まなくても……え?」
思わず間抜けな声が出てしまった。いや、無理ないだろう。
俺の左腕を掴んでいるのは、趣味がコスプレ作りの母でも、カラーボックスマニアのばあちゃんでも無い。
体操服姿の、我が妹だったのだから。
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