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Tellus
1-4No.6炎の処刑人vsカイン
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アヌビスの血の海と化した大広間を抜けると下に続く階段が見えてくる。だが今度は階段の下からは今までとは比にならない量の魔力に、ここで最後だろうと愚痴を飲み込むと最後の階段を進んでいく。

「こいつは…」

階段を降りるといきなり広い空間が広がる。恐らくアヌビスと戦った大広間よりも大きいだろう。そして一番奥にはクリスタルと思わしき光が松明の火の光と混ざり合い妖しく光る。その光りに導かれ足を進めるが微量の殺気を感じると足を止め、周りを観察すると松明の火が今までの松明の火と違い魔力を帯びていることが分かると松明の火が弾丸の如くカイン目掛けて射出され、爆発を引き起こす。軽いクレーターが出来るが、カインの姿は無い、だが跡形も無くなるほどの威力があったわけでもない。カインは爆発が起きた場所から後ろにいた。爆風が収まるとクリスタルの前には人影がいる。

「へー、今のを避けたか」

男は称賛の声を発するが、魔法を放った人物もまたそいつなのだ。

「つまりは死体もさっきの松明の火もお前が操ってたわけか」

死体の方は解せない部分もあるが松明の火を操った所を見るとそうなのだろう。敵のシルエットはクリスタルの光で見えてくる。燃えるような赤い髪に左耳に二つのドクロ型のピアスをし、デニムにタンクトップの筋肉質な男だ。

「死体?…それは知らんがさっきの炎は紛れもない俺の攻撃だ」

自信満々な表情で言ってくる彼の顔は子供が無邪気に笑う様にも見える。

「自己紹介が遅れたな、世界魔科学統制機関No.6裁きの業火ことアグニーマン=スーロ…まぁなんだお前の墓標にでも刻んでくれや」

自己紹介が終わると明らかな殺意をぶつけてくる。こちらも口を開こうとするがアグニーマンは小さな火の玉を飛ばし、カインはそれを軽いステップで躱す。

「おいおい、こっちの自己紹介はさせてくんねぇのかよ」

適当に言葉を返すと、向こうも言葉を返す。

「S級反乱者カイン=フルソード。お前の名前なんて腐るほど聞かされたよ、今じゃ教科書に載るからな…極悪人としてだが」

初めて聞いたが喜んでいいのか喜んでは駄目なのか、そんなことを考えているとアグニーマンから声が発せられる。

「さて…裁きの時間だ…」

低い声で発せられた声は試合のゴング代わりになり、二人とも自らの得物を取り出す。




カインとアグニーマンが火花を散らす最中ミールは建物の影から写真の男をつけていた。目立った動きは特になく、追跡がバレてる様子もない。順調に追跡は成功してると思った矢先に、男は大きく動いた。目を離したわけでない、寧ろ監視するように且つこちらの存在を悟られないようにと神経一本一本に気をつけていた。にも関わらず視界から消えたのだ。もし一瞬で場所を移動できるスキルがあるとすれ
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