1-4No.6炎の処刑人vsカイン
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ば、その考えが正しければと頭を働かせていると、背後からこちらに向けられた殺意に反応するように振り向くと、男はそこにナイフを構え立っていた。男は右手のナイフを横薙にするように大振りに振ると、ミールは後ろに退くが右腕を掠める。男はナイフを大振りに振った反動を利用し、体を回転させると後ろ回し蹴りがミールの腹部を直撃する。ミールは体から酸素が無くなる感覚を感じると建物の影から放り出され、数回転がると街路の真ん中に出る。
何時のまにか街の住人は居らず、カインはもう見つかったのかとミールは心の中で舌打ちをする。
「いや〜、流石は元諜報部ミール=ルドス大尉だ、追跡はお手の物ですね」
全身を黒いスーツで纏い紳士的な男にも見えるが緩い口調であり、己というものを全く見せないこの男。本名は不明だったが偽名やコードネームは数多く出てきた。そして最も新しかったのはカゲというコードネームだ。
「でも学校でならいませんでしたか?あまり首を突っ込み過ぎるとその首切り落とされると、ね」
言い方は柔らかいが用はこれ以上深追いすると殺すという事だ。だが逃がすわけにはいかない、この男がカインの仇というのもあるが、何よりも機関の中で一番危険なのはこの男だからでもある。
「逃がすと思う?」
ミールは別空間から拳銃を二挺引き抜くとカゲに向ける。
「女性を傷付ける趣味は無いのですが…」
やれやれといった表情で持っていたナイフをくるくる弄りまわし構える。
その頃アグニーマンとカインの戦いはお互いに手詰まりという状況だった。アグニーマンが炎を放つ、カインが避ける。アグニーマンは得意の距離で戦えるがカインの俊敏な動きを捉えられないでいた。カインは接近戦に持っていかなければ勝機は無い。
「いい加減に当りやがれってんだ!」
アグニーマンは両手に頭一つ分程の火の玉を作り、体の前に合掌するように二つの火の玉を一つにすると、広範囲に火炎放射の要領で地面を焼き、柱を焼き、壁を焼くが、カインは火炎放射を紙一重で躱し、隙ができた右脇から接近を試みるが、アグニーマンは火炎放射に使っていた右手を軽く上げると、カインの一歩前に火の柱が地面から壁になるように何本も激しい音をたてながら出現する。カインはバックステップで距離を取る。
どうやって接近戦に持ち込むかカインは模索していた。迅襲や剣幻流を使えばチャンスは作れるが、迅襲は身体的スキル故に体への負担が非常に大きく連発が出来ない。剣幻流は魔術的スキルが要求され、魔力の保持量が圧倒的に少ないカインにとっては連発出来ない。アグニーマンは考えることさえ許さないと、小さな火の玉をマシンガンのように連射する。カインも刀で弾くがこのままでは防戦一方でどこかで仕掛けなければ何も変わらない。
「逃げるだけか?な
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