コードギアスR2
0602話
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らないだろう。精々この2人が多少の満腹感を得るだけなのだ。
「行きましょう、アクセル殿。先方もお待ちです」
「ああ」
洪古の言葉に頷き、姉妹へと背を向けてその場を立ち去っていく。
背後でサンドイッチの包み紙を破って、貪り食っているような音を聞きながら洪古の案内に従って道を歩いて行く。
「あの姉妹はまだいい方です。ここはどちらかと言えば発展している街なので、食べ物も最低限はありますから。しかし田舎の方は……」
「ここよりも酷い、か」
「はい。餓死者が出る事も少なくありません。それ程に搾取をしながら、大宦官やそれに媚びへつらっている者共は毎日食べきれない程の料理を作り、飲みきれない程の酒を飲み、そして余ったものは残飯として捨てています」
ギリッと奥歯を噛み締める音が聞こえてくる。
確か洪古は元々中華連邦の軍人だった筈だ。それだけに中央にいる者達の腐敗はその目で確認してきたのだろう。
「だからこそ俺達が立ち上がるんだろう? そして、今日のこれはその最初の1歩だ」
「ええ。この街の代表は周辺の村や街に対して強い影響力を持っています。それだけに、これから会う相手をこちらに引き込めれば心強い味方となるかと」
洪古がこれ程までに確信を持っているとなると、これから会うのは表向きの顔役とかおかざりの代表というのではなく、実際にこの街の権力を握っている人物なのだろう。
「だといいがな」
そう呟き、洪古の案内に従って道を進んでいく。
そして見えてきたのは、いかにも中華風といった様子の建物……では無く。一見すると粗末な小屋にしか見えない建物だった。
その建物を目にした時には微かに眉を顰めたが、すぐにそれを否定する。その小屋の周囲に座り込んでいるように見える者達がそれなりに腕の立つ護衛だと理解したからだ。
「へぇ、なるほど」
感心する俺をそのままに、座り込んでいる者達へと近付いていく洪古。
そして一言二言交わすと、護衛達の視線が俺へと向けられる。その視線の色は恐怖、畏怖といったところか。自分達と俺の戦力差がどの程度のものなのかを感じ取ったのだろう。
だが俺を驚かせたのはそこからだった。何しろ、圧倒的とも言える力の差を感じつつも怯んだのは一瞬だけで、すぐにその感情を押し殺して俺へと視線を向けてきたのだ。
なるほど。どうやらあの小屋の中にいる人物は余程のものらしい。
「アクセル殿、許可を得ました。こちらに」
「ああ」
洪古に案内されるような形で、そのボロ小屋の中へと入っていく。
護衛役と思われる男達の視線が俺の一挙手一投足を見逃さないようにじっと向けられていたが、特に何を言うでもなくそのまま俺を通す。
この辺はこれまで交渉を重ねてきた洪古や周香凛、そしてその2
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