コードギアスR2
0602話
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様子に、思わず笑みを浮かべて悪戯心を起こす。
強面の軍人が唖然としている様子ってのは中々に面白いというのも理由の1つだろう。
再びパチンッと指を鳴らしたその瞬間。俺の全身が白炎と化し、いきなりの現象に洪古が何かを叫ぼうとした時、白炎が消え去り、後に残っていたのは10歳程の子供である俺の姿だった。
「どうだ?」
そしてその口から漏れ出ているのは、間違い無く声変わり前の子供の声だ。
「お、お……驚きました……」
既にそう声を出すしかできない洪古に笑みを浮かべ、再び指を鳴らして全身を白炎に包み込み元の20代の姿へと戻す。異形化状態の混沌精霊になってもよかったんだろうが、あれは色々と刺激が強すぎるからな。
「こんな具合に魔法は実在する訳だ。理解できたら、そろそろ街に向かうとするか。そっちも時間が無いんだろう?」
「はっ……はっ! 確かに行動を起こす時の為に色々とあるのは事実ですから」
「正直で結構な事だ」
目の前で魔法を見せられたのが余程驚いたのだろう。出会った時の俺へと向けられていた若干の不信感は綺麗にぬぐい去られた様子だ。
少しチョロ過ぎないか? そうも思うものの、別にそれで俺が困る事は無いしいいか。
そのまま洪古に連れられて視界の先にあった街中へと到着する。
「……寂れているな」
街の様子を見て思わず呟く。
街の規模自体はかなり大きいのだが、そこで暮らしている住民達の様子はお世辞にも活気があるとは言えない。顔に生気が無いというか、活力が無いというか。子供達にしても元気に走り回っているような姿は見えず、どちらかと言えば地面に座り込んで極力体力を消耗しないようにしている者達が多い。
とにかく無気力な雰囲気が街中に蔓延していた。
「ええ。大宦官共による搾取の結果です。何しろ稼いでもその大半を税として持って行かれるのですから、どうしても活気は無くなって無気力感が蔓延するのですよ」
忌々しそうに呟く洪古。
その視線の先にいるのは、10歳を越えるかどうかといった年齢の姉とまだ5歳くらいの姉妹だった。だがその頬は痩せこけており、飢え死にしない程度の食べ物を何とか食べているというのが明らかだ。
「ここまで搾取が酷いとはな」
偽善と知りつつも、地面に座り込んでいる姉妹へと近づき、空間倉庫の中から焼きたてのパンを使ったサンドイッチの包みを10個程取り出して手渡す。
「……いいの?」
「お姉ちゃん?」
姉の方が俺へとそう尋ね、妹の方は手に持ったサンドイッチと姉、そして俺を見比べている。
「好きにしろ。どうせ買いすぎたパンを処分しようと思っていたところだからな」
この2人の子供だけに、しかも数個のサンドイッチを渡しただけでは何の解決にもな
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