カードエクスクルーダーが十代のデッキにいる理由
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スクルーダーは十代の笑顔の方が大切だった。
だが、そんな少女に十代は言った。
「いや…抜かないよ」
「え、で…でも…私、お役に立てないんですが…」
「デュエリストには手札の数だけ可能性がある、カードの一枚一枚が可能性なんだ、役に立たないカードなんて無いって…俺の尊敬する人が言ってたんだ」
武藤遊戯
十代が尊敬し、目標としている人の言葉。
とはいえ、それを言われてもエクスクルーダーの表情は晴れない。
その『可能性』を拡げる為に投入された自分は。
実際、役に立ってないのだから。
「…あの、そう言って頂けるのは凄く嬉いんですけど…やっぱり私は…」
『E・HERO』と『カードエクスクルーダー』この二つは噛み合わない。
それは、実際にデュエルした十代が実感している筈なのに。
「そうだな、正直今はまだ上手い使い方が見つかってないけど…うん、抜きたく無いんだ、お前を」
こうして、実体化してまで自分の存在意義を訪ねに来たにもかかわらず。
結果として失望させた自分を恨むこともせず。
友人達同様、自分を気遣ってくれる。
そんな『仲間』である彼女を外したくない。
「すぐには上手く使ってやれないかもしれない…だけど、俺が遊戯さんみたいなすげぇデュエリストになれたら…その時はきっとお前を俺の『HERO』デッキで活躍させて見せる…それじゃ駄目か?」
その十代の言葉にエクスクルーダーは笑った、泣きながら。
「あ、あはは…そんなだから十代さん、デッキ枚数がどんどん増えちゃうんじゃ無いですか」
『E・HERO』に『ネオスペーシアン』『ハネクリボー』や『ユベル』各種サポートカードの『魔法』や『罠』
既に、一般的な理想値、基準値である40枚は越えてしまっている。
それでも尚デッキが回る『引きの強さ』は十代が『仲間』を信頼し絆を繋いでいるからなのだと。
改めてエクスクルーダーは実感する。
「だって、仲間は多い方が楽しいし、面白いだろ?」
「はい!…約束ですからね十代さん、絶対私を活躍させてくれるって!」
「あぁ、約束だ」
十代との約束。
それが無性に嬉しくて幸せで、その感情のまま再び十代に抱きつこうとした瞬間、両者の間に光が生まれ形を為す。
その正体は。
「よく言ってくれたぞ、十代!」
「ネオスさん?」
割って入るかのように、突如として現れたネオス、その眼は赤い。
「ね、ネオス?一体どうしたんだ?いきなり」
十代の疑問、それに応えたのはネオスではなかった。
「可愛い娘が心配なのさ、ウチのお父さんは…ね」
「ユベル?お前まで一体どうしたんだよ今日は…」
いつの間にか実体化し隣に立っていたユベル。
ユベルのからかい
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