カードエクスクルーダーが十代のデッキにいる理由
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よね、十代さん、最近はあまりデッキを触らないですもんね…」
小さく、絞り出すように呟く。
自分がデッキにいる理由。
そして。
自分がデッキから抜かれなかった理由。
この、二つが少女の中で繋がる。
遊城十代。
何よりもデュエルが好きな少年。
アカデミアに入った当初は寝る間も惜しんで、ああでもない、こうでもない、と床一面にカードを拡げデッキ構築を楽しんでいた、彼。
だけど、最近は少し変わった。
デュエル時以外デッキに触れる事が少なくなった。
ユベルやオネストなど、新しい仲間をデッキに加える事はあっても、昔のように一枚一枚デッキのカードを確認そして吟味したりという事をしなくなった。
だから、自分が入ったままだったのだ。
HERO達のサポートもできない自分が。
役に立たない自分が。
十代の強さは『引きの強さ』でもある、だから、本来デッキに必要がない自分はドローされる事もなかった。
「………………っ」
全てが理解できた少女。
だが、泣き出しそうな顔をしながらも、出した言葉は十代をなじるものでは無かった。
「十代さん…デュエル、楽しくないですか?嫌いになっちゃったんですか…?」
自分がデッキにいる事に大した理由なんかなかった。
それは辛い…もの凄く辛い。
だけど。
十代がデュエルを楽しんでいない、そして毎日独りで孤独に過ごしている。
…そのほうが、ずっと嫌だった。
それに対し十代は。
「……はは」
「わ、笑うなんて酷いですよぉ!」
「あぁ、ごめん…それ、明日香達にも同じような事を最近言われたよ…俺、心配かけてばっかだな」
苦笑しながら、申し訳なさそうに…そして少しだけ嬉しそうに十代は言った。
「だって、皆十代さんの事が大好きですもん!」
「サンキュ…そうだな、確かに最近は色々あって、色々変わったけど…でも、明日香達とのデュエルで改めて思ったよ…俺はやっぱりデュエルが好きなんだって…デュエルはすげぇ楽しいってさ」
デュエルは楽しいだけではない。
ただ、それを受け入れる事に時間がかかっていただけで。
デュエルが好き。
その、気持ちだけは何があっても変わらないことは友人達とのデュエルで再認識できた。
「そうですか…よかったぁ」
目尻に涙まで浮かべて、エクスクルーダーが安堵の笑顔を浮かべる。
そして、もっと十代に元気になってほしくて言葉を続ける。
「それじゃあ十代さん!もっともっとデュエルをしましょうよ!こんな暗い部屋に閉じ籠ってないで!…デッキも…いらないカードなんて抜いて楽しいデュエルをしましょうよ!」
前のように毎晩デッキ構築を楽しむ十代に戻ってほしい。
つまり、自分が抜かれる事になる。
それでも、エク
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