カードエクスクルーダーが十代のデッキにいる理由
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クスクルーダーの不満を一通り聞き終えた彼が、最初に発した言葉は。
「…ごめん」
謝罪であった。
「え、えっと!いえいえ!私こそ、言い過ぎですよね!す、すみません!」
いくらなんでも文句ばかりを言い過ぎたと、十代の表情を見て自覚し謝罪するエクスクルーダー。
それに、謝罪の言葉を聞くのが本意ではないのだ。
「でも…とにかく、私がデッキにいる理由を教えて欲しいです…」
このままじゃ、頑張れない。
自分の存在意義もわからず。
ドローされる事もなく、ただデッキの底で出番を待つだけなのは辛かった。
エクスクルーダーのどこまでも真剣な哀願に、十代は口を開いた。
言いづらそうに、それでも少女の真剣に、誠意で応えるべく、ポツポツと。
「…アカデミアに留学生が、ヨハンやオブライエン、ジム達が来てさ…あいつらのデッキを見て、俺ももっともっと自分のデッキを強くしたいって思ったんだよ」
『宝玉獣』や『ヴォルカニック』など。
強力なのは勿論、それ以上に独特の味を持つ風変わりなデッキの数々。
それらと出合い、戦った十代は自分の『E・HERO』ももっともっと、別の可能性を拡げられるのではないか、と思った。
「だから、思いきって今まで使った事の無い、いっそ全くHEROと関係ないカードを入れて見るのも面白いかな…って思ったんだ」
「は、はぁ…」
正直、期待外れな理由と言うのが少女の感想だ。
要約すれば。
他のデュエリスト達に刺激を受けたから、自分も今まで以上に何か変わった事をしたくなり『HERO』デッキに関係のないカードを入れてみた、と。
なんとも微妙な投入理由には少し落ち込むが、重要なのはそこではない。
「で、でも…!何かあるんですよね!出来るんですよね!?十代さんの必殺コンボが!」
そう、取り合えずどうすれば活躍できるかどうかのほうが今の自分には重要だ。
だが、十代の答えは。
「…ごめん」
「………………」
つまり、ないと言うことだ。
当然だろう『E・HERO』として既に完成しているデッキ。
そこに『何となく』で投入されたカードが活躍出来るほどデッキ構築は甘くない。
事実、入れた当初ドローしたことは何度かあったが上手く使える場面は全くと言って良いほど無かった。
それでも一応、何か出来ないかと暫くは入れていたのだが…
「…………………」
エクスクルーダーは、これ以上ないと言うほどに落ち込んでいる。
そんな言葉では足りないほどに。
十代は何か声をかけようとし、だが何かの拍子があれば今にも泣き出さんばかりの少女を前に、何もできず彼女が落ち着くまで待つしかできなかった。
そして、暫くして。
「…そうです
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