カードエクスクルーダーが十代のデッキにいる理由
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起きてください!マスター!」
「っ?!」
聞き覚えのない子供の声に叩き起こされた。
「もぉー!もうお昼ですよ!こんな暗いお部屋で寝てちゃだめですよぉ!」
「な…何だ?一体!?」
「はい!お早うございます!わーい、マスターに私触ってる〜!」
別にユベルの力を疑っていた訳ではないのだが。
実体化が上手く行き十代に触れる事が出来る。
この世界で十代と話が出来る。
その感動と興奮で、幼いエクスクルーダーは自分でもよくわからないくらいのテンションで十代に抱きついてしまう。
「い、いや…!何なんだよ一体…!」
勿論、十代にそんな彼女の感動など伝わる訳もない。
とにかく、自分に抱きついてくる少女を、引き剥がそうと狭い二段ベッドの中で押し合いへし合い…。
その結果。
「…その、本当にすみませんでした…」
「いや、まぁ…いいけどさ…」
苦笑しながら後頭部、そこにできたたん瘤を押さえる十代と土下座せんばかりに小さな体を更にちぢこませるエクスクルーダー。
ベッドから落ちた二人、なまじ十代はエクスクルーダーを庇おうとしたため後頭部を床に打ってしまった。
正直かなり痛いが、実体化当初の浮かれっぷりはどこへやら、今にも泣き出しそうな顔で詫びられて、更に責める事の出来る十代ではない。
とりあえず、話題を剃らす意味も込めて、当初の自分の疑問を投げ掛ける。
「…で?一体どうしたんだ、何かあったのか?」
「は、はい!それはですねマスター!」
「あ〜十代ででいいよ、何か落ち着かないし」
十代の問い掛けを聞いた瞬間、顔を上げ、ぐっと両手に力を込めて語り始めようとしたエクスクルーダーを悪いと思いつつも制止する。
カードとはいえ年端もいかない少女に『マスター』と呼ばせるのは、何となく気恥ずかしさがあった。
「そうですか?…それじゃあ十代さんで」
「あぁ」
「えっとですね…私が十代さんのデッキにいる意味を知りたいんです!」
「デッキに…?あ、あぁ…」
仕切り直し、真剣な顔で言われたエクスクルーダーの言葉に、一瞬微妙な顔をした十代。
そんな十代に構うことなくエクスクルーダーは延々と語る。
いかに自分が肩身の狭い思いをしているか。
どうして使ってくれないのか。
そもそも最近は手札にドローされた事すらないのですが。
他の仲間のように、自分ももっと活躍したいのに。
他の仲間のように、自分も十代と一緒に戦いたいのに。
自分は何をすれば、どのカードと協力すれば真価を発揮できるのか。
幼い故に、感情ばかりが先走ってしまい立て続けに疑問と不満をぶつけてしまうエクスクルーダー。
そんな彼女の言葉を黙って聞く十代の顔は苦い。
そして、エ
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