カードエクスクルーダーが十代のデッキにいる理由
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た事はキミもわかっているだろう?」
無言で首を振るネオス、その意味は肯定だろう。
「あの、騒がしい娘が行けば…少しは気分も変わるんじゃないかって…思っただけさ」
ボクが十代の為にならない事をするはずがないだろう?
そう続けたユベルの言葉に、ネオスは変わったのは十代だけでなくユベルもなのだろう、と思う。
少なくとも、以前のユベルであれば十代の事を他人任せにするなど考えられなかった。
「…それに、あの娘はボクが彼女の活躍の場を奪った事には何も言わなかった…それくらいの事はしてやってもいいさ」
そう、エクスクルーダーが大望し、始めて召喚されたのはユベルとの戦いの時であった。
一応、仕事は果たせたが彼女が望むような華々しい活躍が出来たとは言いがたいままユベルのカードに破壊された、そしてそれ以降エクスクルーダーは召喚される事もなくデッキの中で不満を溜め込みながら燻っている。
だが、少女はそれを盾にユベルに協力を要請するような事はしなかった。
ただ、十代の為になりたいがため、ユベルに協力を頼み。
叶えてやれば素直に感謝し喜ぶ。
…その純粋さが少し眩しかったのかもしれない。
「ボクには十代しかいない、だけど十代はそうじゃない…彼の助けになれる存在はボク一人じゃない…その、程度…今なら受け入れられるさ…」
十代を愛している。
それだけは何があっても変わらない。
ただ、その形は
少しは変わることもあるかもしれない。
かつて、そうであったように。
どこか寂しく呟くユベル。
そんなユベルに『そうじゃない』と言いたい。
だが、ユベルがそれを受け入れるには、もう少し時間が必要なのだろう。
だからそれ以上ネオスは何も言わなかった。
今はただ、エクスクルーダーへ力を貸し、自分からデッキの仲間達に歩み寄る姿勢を見せたユベルに感謝と嬉しさを感じながら二人で肩を並べ、はしゃぎながら駆け寄ってくる少女を見守ることにする。
「…ところでキミ、今のうちに休んでおかなくてもいいのかい?」
「はは、今回のデュエルでは三ターンも墓地(と言う名の休憩室)で過ごしたからね、全然大丈夫さ」
「…そうかい」
「………………………」
視線の先には天井がある。
勿論、それを眺めていたい訳ではない。
オシリス寮、ボロいベッドに寝そべりながら十代はずっと考え込んでいた。
精霊の事 ミスターTの事 そして、自分が果たすべき使命の事
いつからだろう、デュエルの事を考える度、ワクワクした気分だけでなく、暗く苦いものが混じるようになってしまったのは。
もやもやしたものを振り払うかのように枕に乗せた頭の向きを変え、目を瞑ろうとした。
その瞬間。
「
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