As 15 「騎士達の帰還」
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崩壊が進む街の中を、桃色の光弾と闇色の光弾が飛び交う。
高町と管制人格が射撃戦を行っているのだが、魔力量の差もあってか高町のほうが分が悪い。管制人格に背後を取られた彼女は、街に被害を出さないようにするためか海の方へと向かっている。
高町は砲撃型の魔導師であるため、テスタロッサのような飛行速度を持っていない。管制人格との距離が徐々にではあるが確実に縮まっていく。
「は……!」
「ッ……!」
高町へ襲い掛かった槍射砲の一撃を交差させた両手の剣でがっちりと受け止める。
これで高町が攻撃に転じれると思ったのもつかの間、槍射砲の先端に闇色の魔力が集まり始めた。俺は咄嗟に後ろに倒れるようにしながら身を引く。直後、目と鼻の先を漆黒の閃光が走り抜けた。
体勢を立て直そうとする間もなく、管制人格が上空に現れる。彼女は槍射砲を装備した左腕を大きく引いており、瞳は俺を海面に向かって叩きつけようとする意思に満ちている。
――どうする。減速して……いや、彼女のほうが能力的に優れている。そんなことをすればむしろ直撃をもらいかねない。ならば加速……それもダメか。テスタロッサの速度に対応する反応速度を持っているし、あらゆる魔法を蒐集しているんだ。俺より優れた高速移動魔法を持っている可能性が高い。
「させない!」
防御魔法を展開しながら受け止めようとした瞬間、鋭い声が聞こえた。管制人格の視線は俺から声が聞こえた方へと向き、すぐさま飛行の軌道を変える。すると桃色の閃光が数発管制人格の居た場所を通った。
続けて放たれた高町の速射砲は、管制人格に何発か命中する。しかし、威力を抑えることで連射性を上げているのか管制人格の防御を貫けないでいる。
管制人格は再度高町へ襲い掛かる。近接戦闘で分が悪い高町は、距離を取ろうと後退。互いの動きを読み合いながら高速飛行が続く。
目の前に迫る盛り上がった岩盤を、高町は減速しながら回り込むことで回避する。だがそれは悪手だった。管制人格は減速することなく岩盤を打ち破ったのだ。
破片が飛来した高町は、咄嗟に防御魔法を展開。破片を防ぐことは出来たが、それによって一瞬ではあるが足が止まってしまう。それを管制人格は見逃さず、槍射砲を使った一撃を叩き込んだ。
「くっ……」
「ナハト……撃ち貫け」
管制人格は高町に有効なダメージを与えられなかったと判断すると、魔力弾で追撃した。高町と管制人格の間に入り込み、防御魔法を多重で展開。しかし、管制人格の魔法は魔力弾といえど絶大で、一度に数枚の防御魔法が破壊される。
一息つく暇もなく、さらに2発の魔力弾が迫ってくる。直撃はしなかったものの、防御を破られた俺の身体は衝撃によって海へと弾き飛ばされた。
「ショウくん!」
名前を呼ばれたかと思うと
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