As 15 「騎士達の帰還」
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自分の特性に合った形に変化させているのか、さらに俺達を囲むようにスフィアが生成される。
完全に囲まれた状態だが、高町に怯んだ様子はない。彼女の意思の強さを示すように足元に魔法陣が展開し、魔力の波動が拡散する。
管制人格の合図と共に、スフィアから次々と魔力弾が撃ち出される。膨大な量の魔力弾が一斉に迫ってくるが、高町が結界型の防御魔法を展開。魔力弾が結界に衝突し爆音を響かせる。
「ショウくん、諦めちゃダメだよ!」
「そっちこそ諦めないでくれよ。君は現状に残された希望なんだから!」
実際の時間よりも長く感じられた魔力弾の嵐を高町は防いで見せた。立ち込めた煙が晴れ始めるのと同時に、俺は管制人格へと接近する。
「諦めろ。お前の剣は私に届かない」
「そんなこと分かってるさ!」
だが諦めるつもりはない! と意思表示するように右手の剣を横薙ぎに繰り出す。管制人格はそれを槍射砲で難なく受け止めた。暗雲で見えにくくなっていた互いの顔を、散った火花が一瞬明るく照らす。
金属がぶつかり合う衝撃音が合図となり、俺と管制人格の剣戟は一気に加速していく。
先ほどまでのように型のある技は使わない。敵は歴戦の戦士である以上、俺のような技を使う人間との戦闘経験があってもおかしくないのだ。それに今必要なのは威力ではなく手数。
俺は左右の剣を本能に任せて振り続ける。極限まで集中して知覚が上昇しているのか、両腕はこれまでで最速で動く。だが――。
管制人格は舌を巻くほどの正確さで俺の攻撃を次々と叩き落していく。多少の隙さえあれば、鋭い一撃を浴びせようとしてくるのだから性質が悪い。集中力が少しでも鈍れば、反応できずに直撃するだろう。
何度打ち合ったときだっただろうか。不意に管制人格が後退し始めた。俺はそのぶん距離を詰めて攻撃するが、状況に変化はない。そう思った瞬間――先ほどまでと微妙な距離の違いから俺の剣は空を斬った。
「しまっ……!?」
「ふっ!」
槍射砲を使用した一撃が迫る。反射的に身体を捻ったが、掠っただけで済んだのは偶然としか言いようがない。強引に捻ったことで節々が痛む。だが管制人格が続けざまに魔力を乗せた右拳を繰り出してきたため、じっとしているわけにもいかない。
左右の剣で受け止めるが、強烈な衝撃によって吹き飛ばされる。
「バスターァァッ!」
管制人格がこちらに追撃をかけようとした瞬間、気合の声と共に桃色の閃光が走る。それをすぐさま感知した彼女は回避運動を行い、意識を俺から砲撃してきた人物へと切り替えた。
迫り来る管制人格に高町は再び砲撃を放つが、管制人格は最低限の動きで回避する。下に潜り込んだ管制人格は、アッパー気味に高町へ槍射砲の一撃を打ち込んだ。高町はどうにかガードしたが、俺と同様に吹き飛ば
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