暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
As 15 「騎士達の帰還」
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開し俺を捕縛する。彼女が次に取った行動は、俺を飲み込む――ではなく、振り回して放り投げることだった。投げられた先には砲撃の準備をしていた高町がいる。どうにか体勢を立て直そうとするのだが、間に合いそうにない。
 せめて避けてくれ、と思って視線を送るのだが、高町の瞳はこちらを受け止める気で満ちていた。念話で伝えたところで、頑固な一面のある彼女は意思を曲げないだろう。

「く……!」
「うっ……!」

 予想したとおり高町は俺を受け止めた。減速していたこともあって先ほどのように海面に衝突、とはならなかったが、礼を言う間もなく管制人格が魔力弾が放ってきた。
 闇色の魔力が拡散するのと同時に爆音が響き、大量の煙が立ち込める。攻撃範囲を広げた魔力弾だったためか、直撃したものの俺も高町も堕ちることはなかった。だが確かなダメージは通っており、それを証明するかのようにバリアジャケットが破損している。高町はそうでもないが、俺の方はボロボロと言っていい。

「……お前達ももう眠れ」
「……いつかは眠るさ」
「うん……でもそれは、今じゃない。レイジングハート、エクセリオンモード!」

 レイジングハートがカートリッジを2発リロードする。
 おそらく高町はフルドライブを使用するのだろう。すでにフルドライブを使用している俺と彼女とでは、やはり魔導師として力量の差がある。だが妬んだりはしない。現状では彼女がまだ全力でなかったことは心の支えになるのだから。
 高町は今この場に残されたたったひとつの希望だ。彼女が撃墜されるようなことがあっては、崩壊を止められなくなるだろう。俺がすべきことは、この身がどれだけ傷つこうとも戦える限り戦って彼女を守ることだ。

「ドライブ!」

 高町の身体が桃色に発光し、収束と同時に修復されたバリアジャケットが姿を現す。直後、レイジングハートも変形し槍を彷彿させる形状になった。

〔……マスター〕
〔いやいい。今はバリアジャケットを修復する魔力も惜しい〕

 今フルドライブを使用した高町と違って、俺はテスタロッサが飲み込まれる前から使用していた。防御魔法の多重展開に高速移動魔法の連続使用、魔力変換を用いた魔法と日頃と比べれば爆発的に魔力を消費している。
 高町ほどの防御力があるのならばバリアジャケットの修復にも意味があるが、俺の防御力では現状でも万全の状態だろうと本気の一撃をもらえば堕ちかねない。攻撃と回避に残りの魔力を使う方が効率的と言えるだろう。

「悲しみも悪い夢も……終わらせてみせる!」
「…………」

 管制人格は涙を流しているものの何も答えないようとしない。その代わり、闇の書を出現させたかと思うと金色のスフィアが彼女を取り囲むように生成された。
 テスタロッサの魔法だと理解したが管制人格が
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