それから
引きニート街道まっしぐら
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ても、誰も好きなんかじゃない。いや、友達としてなら全然好きだけど」
「話ややこしくなるから簡潔に。別に嫌いなんて勘違いはしないし」
怒られた。
死にはしなくても泣くかもしれない。
『うっしゃー、共通終了!誰のルート入ろっかなー、やっぱマキにゃん?それとも甘ねえ?いや、あえて由美ちゃんかなー?』
うるさい!てか進むの早くね!?
最初のプレイで流し読みダメ絶対!
そんなのはゲーマーとしてありえない行為だかんな!
「俺が好きな奴は、いつも元気で明るくて、人一倍周りの空気や友達って存在を大切にするやつなんだ。まあ、人並み外れて馬鹿だけどな」
頭に浮かんでくるのはいつも無邪気に笑って、遊んでいる姿。
学生だった頃、赤点ばっかりとって補習の前日はギリギリまで陽龍とアリシアに勉強させられて目の下に隈をつくっている姿。
陽龍が墜ちたとき、周りが暗くても自分だけは明るくいた姿。
「そ・・・れって、」
美愛は口元に手を当て、どこぞの少女漫画のようなポーズを取る。
こ、これは・・・。
「おにぃ!?男に手を出そうとするなんて・・・慎吾、恐ろしい子ッ!」
「ガラス○仮面!?てかなんで陽龍!?」
「慎吾ごめん、別に偏見を持ってるわけじゃなかったんだけど・・・でも、双子の兄を相手にされるってのは、なんか微妙な気持ちだよ・・・」
「違うから!陽龍はただの親友!それ以上でも以下でもねえよ!」
なんでこいつの思考回路は斜め横にずれるんだよ・・・。
むしろ才能だよ、それ。
「うん、やっぱ遠まわしに言うのやめるわ」
これ以上変な勘違いをされるのは困る。
身近に噂になるような男子はあと冬弥と夏希と秋良くらい?
いや、秋良には春香がいるか。
アイツら堂々としすぎて爆ぜろすらも言えない。
「ずっと俺が片思いし続けてたのは美愛、お前だよ」
俺が言うと、美愛は最初はそーかそーか、みたいな顔をしていたのに、すぐに硬直する。
「・・・えと、み、美愛さんっていうんだー」
「そこで現実逃避されると本気で傷つくんだが」
マジな告白を無かったことにされるってのは辛いんだぞ!
まあこれが初めてなんだけどな!
「なん・・・だ、そうだったんだぁ・・・」
美愛はそう言って涙を流した。
「え、ちょ、うぇい!?なんで泣く!?とりあえず目こすらない!っと、確かハンカチ・・・」
焦りながらもポケットに入れていたハンカチを取り出し、涙を拭く。
「なんで泣くんだよ・・・それほど俺が嫌いか」
「ちがっ・・・そう・・・じゃ、なくって、嬉し・・・くて・・・!」
一度そこで言葉を区切り、大きく深呼吸をする。
その間も、まだ涙はポロポロと流れていた。
「・・・わた・・・しも、慎吾のこ
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