それから
引きニート街道まっしぐら
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たとえ一方通行であったとしても俺は美愛のことが好きだ。
だから一方的に話しかけたりする。
いつもだったらめんどくさそうな雰囲気を隠そうともせずにいたとしても会話をしてくれる。
その過程でごく自然に罵倒されたりもするけど。
それでも肉体的な暴力は・・・まあほとんどなかった。
たまにラリアットとかジャーマンスープレックスとか卍固めとかされたけど。
たまにムカついて切替して構い倒したこととかあるけど。
その度に戻った時に倍返しされるんだけど。
でも俺の中でそれは友達だからできるんだと思っている。
流石の美愛も赤の他人にそんなことはしないだろう。たぶん。
仲がいいからこそ、自由にできるんだと思う。
そんな風に思っている俺は少なくとも美愛の友達として、いつもの調子でない美愛が心配だった。
だから俺はいつもどおりに美愛に話しかける。
けど、地球にきてからの美愛は生返事をするだけで一切会話を続けてこない。
この状態になったのは地球にきてからだから、ミッドに戻れば元に戻るかもしれない。
でも、何も知らずにじっとしていることが、俺にはできなかった。
タイムリミットは今日の午後三時くらいまでだから、あとだいたい六時間。
「美愛」
俺はリビングのソファの上で体育座りをしながら戦隊ものをボーっとみている美愛に話しかける。
「んー・・・」
予想通り、適当な返事をされる。
というかスカートで体育座りはやめろと言っているだろうがアホ。
「下スパッツ履いてるからだいじょーぶー」
俺の話を聞かないくせになぜ地の文を読んでくるし。
「あのさ、慎吾に聞きたいことがあるんだけど」
ここ数日間あまり話さなかった美愛が急に話しかけてくる。
「慎吾ってさ、はやてのことが好きなの?」
丁度飲もうと思っていた牛乳を豪快に落とした。
いやいやいや、え、なに、なんでそうなった。
「何日か前に話してたじゃん。小学生の時に一目惚れして、今は同じとこで働いてるって。あ、だったらアリシアとフェイトとなのはも同じか。でもフェイトにはおにぃがいるし、なのはは・・・なのはだし、やっぱはやてかアリシアのどっちかか」
・・・いや、やっぱおかしいだろ。
なんで選択肢の中にお前の存在がないんだよ。
しかもえ、フェイトと陽龍って付き合ってたの?
なのはだけなんか適当だし。
なぜ他人の色恋沙汰には鋭いくせに自分に対しては鈍いってなんだよそれ!
「俺が好きなのはどっちでもねぇよ!俺が好きなのは・・・!」
「・・・いいか、よく聞けよ、美愛」
軽くその場の雰囲気に飲まれている気もしないが、俺は覚悟を決める。
「俺が好きなのは、」
「ただいまー」
「・・・すき、なのは・・・」
と
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