第九十九話 四人の決断その五
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「後はね」
「僕が、ですね」
「うん、君がどうするかだよ」
もうそれだけだというのだ。
「俺達のやることは決まっているから」
「最後の闘いですね」
「それをやって降りるよ」
それが高橋達の採るべき方法だというのだ。
「俺達はね」
「そうですか」
「ではです」
マガバーンも彼に言ってきた。
「最後の闘いは」
「はい、それじゃあ」
「お任せします」
こう言うのだった。
「是非」
「わかりました、じゃあ」
「勝って下さい」
加藤、彼にもだというのだ。
「そのうえで戦いを終わらせて下さい」
「そうさせてもらいます」
「この様な無益な戦いはです」
マガバーンは剣士の戦い自体にも言及した。
「終わらせるべきです」
「これで、ですね」
「だからこそです」
「僕がですね」
「終わらせて下さい」
絶対にというのだ。
「そうされて下さい」
「覚悟するしかないですね」
上城は確かな声で答えた。
「もう」
「はい、そうなります」
「そうですか、加藤さんとですか」
「彼はまた特別だ」
工藤がこう言ってきた。
「俺達とも他の剣士達ともな」
「そうですね、根本的に」
「それぞれの理由で戦ってきたがな」
「あの人の理由は」
「戦いたいから戦う」
それが理由だというのだ。
「彼はそれだけだ」
「戦闘狂でしょうか」
「そう言っていい」
工藤もこのことを否定しない。
「彼は富や権力を求めていない」
「そうしたことには本当に興味がないですね」
「そうした意味では無欲だ」
「あの人はですね」
「そうだ、欲はない」
「女性にも。名誉に対しても」
「全くな」
やはりだ、無欲だというのだ。
「ただ戦うことが目的であり願いだ」
「そうした人だからこそ」
「止めることは難しい」
「しかもね」
今度は高橋が上城に彼のことを話す。
「相当に闘ってきたからね」
「剣士の闘いをですね」
「相当な強さになっているよ」
「ご自身から怪物を出せと言ってですね」
「うん、ひたすら闘ってきたから」
戦闘狂らしくだ、そうしてきたというのだ。やはり加藤は生粋の戦闘快楽者であり剣士の戦いでもそうだからだというのだ。
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