第九十九話 四人の決断その四
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「それでどうして大石さん達を退かせるのでしょうか」
「おそらくだが」
工藤がここで上城に話してきた。
「セレネー女神は間もなく力を集めきるな」
「そうみたいですね」
「だからだ、剣士同士で闘う気のない俺達はだ」
「最後に一戦してもらってですか」
「その闘いで発散される力を手に入れてだ」
「それで終わりとするつもりなんですね」
「おそらくだがな」
こう己の予想を上城に話すのだった。
「そう考えている、そしてだ」
「僕をですね」
「あいつと闘わせてだ」
加藤、彼とだというのだ。
「その力も手に入れてだ」
「そしてですか」
「恋人を神にしてだ」
今も眠らせているエンディミオンをというのだ。
「共に暮らすつもりなのだ」
「そういう考えだからですか」
「俺達は最後の一戦をしてもらうだけだ」
最後はというのだ。
「そして降りてもらう」
「僕は加藤さんと闘わせて」
「そうした考えなのだろう」
「そうなんですね。けれど」
ここでまた首を傾げさせた上城だった、そのうえで言うことはというと。
「どうしてなんでしょうか」
「何故かというのか」
「はい、何で僕が最後に残るんでしょうか」
声がそう決めたのは何故かというのだ。
「それがわからないですけれど」
「ああ、それは簡単だよ」
今度は高橋が答えたのだった。
「そのことはね」
「僕が残ることはですか」
「それは今俺達の中で君が一番力が強いからだよ」
「剣士の力がですか」
「うん、君がね」
上城、彼がだというのだ。
「君は俺達の中で最も多く闘ってきてそれだけ力を備えてきたから」
「だからですか」
「君と彼」
「加藤さんもですか」
「君達二人は相当な力を手に入れているからね」
「そしてその力を手に入れて」
「そう、そうしてね」
そのうえでだというのだ。
「恋人を蘇らせるんだよ」
「成程、そうなんですか」
「そうだよ、これでわかったね」
「わかりました、それにしても僕はそんなに力を手に入れていたんですか」
「おいおい、自覚していないのかい?」
高橋は上城の今の言葉には苦笑いで返した、そのうえでこう言うのだった。
「君自身は」
「はい、今言われて気付きました」
「剣士は戦えば戦うだけ強くなるからね」
その相手の力を手に入れてだ。
「だからね」
「それでなんですか」
「そう、君は強くなったんだよ」
「じゃあラドンと闘ったことも」
「うん、ラドンは強いからね」
高橋もこのことは知っていた、ラドンという怪物の神々ですら恐れるまでの圧倒的な強さのことをである。
「だからね、そのラドンも倒しているから」
「その力も手に入れていて」
「君の強さは相当だよ」
「そしてその強さで、ですね」
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