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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百七十二話 会議は踊る
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フリート星域で待機させた艦隊と合流後にイゼルローン回廊へ急進撃させ要塞を攻略させるのです」

クネは鬼の首を取ったように、それほど豊かでない胸を張って鼻高々に語る。
「その様な与太話で、軍を簡単に動かせる訳が無いだろうが」
カスター国防委員長が吐き捨てる。

「宜しいのでしょうか?態々攻略できる機会なのにもかかわらず、攻略戦すら発動させず、その上、悪魔の皇帝の愛娘と帝国最大の実力者の娘が一堂に会するにもかかわらず、見て見ぬ振りをしたと市民が知れば、どうなりますかね」

クネの嫌らしい話をバーナード副議長が叱責する。
「クネ委員長、貴方の言われることは、脅迫と同じですぞ」
「あら、わたしくは極々一般論を述べただけですわ。副議長のその様な言いように、わたくしは、貴方に対して謝罪と賠償を請求致しますわ」

呆れる何人かの委員長。
「それは、やり過ぎですぞ」
「あら、最近のマスコミは五月蠅いんですわよ。わたくしが会見でポロリとツヴァイの事を話してしまうかも知れませんわね」

「貴方を罷免することも出来るのですぞ」
バーナード副議長が厳しい顔で忠告する。
「議長、決を採るべきですわ。それで決めるのが民主主義ではありませんか」

副議長を無視して議長に提案すると、有ろう事か半数の委員長が賛同する。
「議長、このままでは埒があかないでしょう、此処は軍の出してきた第6次イゼルローン要塞攻略の是非を問うべきです」
「そうですな、それが宜しいかと」

「正気か!」
元々優柔不断の代名詞であるアンダーソン議長は半数が言うならと、バーナード副議長の意見を聞かずに決を採る。

「今回の、捕虜交換後のイゼルローン要塞攻略作戦に賛成の方はご起立願います」
それと共に、5人が立ち6人が座ったままであったが、そのうち3人が棄権したため5対3で可決されてしまった。正に民主主義の悪い点だけが出た決定と成った。

その裏では、フェザーンによるアンダーソン議長、バーナード副議長、カスター国防委員長の追い落としの為に、賛成委員長には裏金が送られていたのである。

此により、バーナード副議長、カスター国防委員長のなどの努力は無駄になり、同盟軍にフォーク中佐原案の作戦の遂行が命じられた。

統合作戦本部では余りに投機過ぎる作戦に難色を示したが、結果“宇宙艦隊総司令部が全てを仕切る”“責任は宇宙艦隊司令長官ロボス元帥が取る事”で作戦案が宇宙艦隊総司令部に丸投げされた。



宇宙暦794年11月20日ハイネセンを出立したロボス元帥の司令部直属艦隊5000隻、ホーウッド中将の第7艦隊13000隻、アル・サレム中将の第9艦隊13000隻は12月8日にジャムシード星系で各地から来る帝国への帰還兵、逆亡命者を乗せた輸送船と合流12月27日に
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