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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百七十二話 会議は踊る
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ためにイゼルローン要塞攻略作戦遂行に動き出したフォーク中佐は、持ち前の政治力と地方議員である両親のコネを使い以前ルードヴィヒ皇太子殺害を成功させたリューネブルク大佐を褒め称えたクネ情報交通委員長の下へ向かい政治工作を行っていた。

「委員長閣下、お忙しい所お時間を頂き恐悦です」
「良いのですわよ、中佐には色々と教えて頂いて居ますから」
ニコリとしながら握手をする二人。

「委員長閣下は、今回の捕虜交換に関してどうお考えですか?」
フォークの質問にクネは暫く考えた振りをしてから喋り始める。
「捕虜交換、拉致被害者帰国は素晴らし事ですわ……でも、それが帝国の時間稼ぎの可能性だと言うのは馬鹿にされているわね」

イゼルローンツヴァイの情報に憤慨していたクネは眉間に皺を寄せながら力説する。
「司令部では、今回イゼルローンツヴァイの完成前にイゼルローン要塞を奪取する事を計画していたのですが……」
フォークが残念そうな顔を演技する。

「ええ、話は聞いています。あの腰抜けでヘタレの国防委員長が中止させたと」
「はい、このままですと、ツヴァイの完成でイゼルローン回廊は鉄壁となるでしょう」
「軍は、イゼルローンを取れないと?」

「そう言う訳では有りませんが、今まで以上の犠牲を払う可能性が出てきます」
フォークの話で考えるクネ。
「大儀があり崇高な事に犠牲は付きものですわ。けれども態々犠牲を増やす必要も無いと」

「そうなります」
「しかし、捕虜交換後に再度攻略戦を仕掛けるには時間的に難しいのでは?」
何れは最高評議会議長の野心のあるクネは多少なりとも軍事を勉強している事も有り、フォークに質問する。

質問されたフォークは少し考える振りをして、じらした後で答える。
「こうなれば、奇策で行くしか有りませんな」
「奇策ですって?」
「はい、拉致被害者捕虜は受け取らなければ市民が納得しないのでしょう」

「確かにそうだけど、その間に帝国が防備を固めてしまうのでしょう?」
「いえ、それを利用します」
「どういうことかしら?」

「我が軍は、300万人を乗せた船を護衛するために2個艦隊をイゼルローン要塞へ向かわせます」
「ええ、それは予定されているわ」
「その他に、300万人を無事ハイネセンへ帰国させるために航路を脅かす宇宙海賊の取り締まりを行います。それに参加する艦隊がハイネセンを出ても誰も不思議に思いません」

フォークの話に、クネも身を乗り出す。
「つまりは、海賊退治に託けて予備兵力を出すと言う事なのね」

「そうです。情報に依れば、帝国軍は要塞駐留艦隊以外に、エッシェンバッハ元帥の直衛艦隊と各種独立艦隊数個艦隊から成るようです。その総数は40000隻まで行かないようです。其処で、我が軍は、捕虜
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