獣竜《ウロボロス》
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さて・・・」
少年はウロボロスに近づき、ウロボロスの額に手をあてた。
『さて、こっからが正念場か・・・』
「・・・リンク」
少年はそう呟くと目を閉じた。
『聞こえる、コイツの声が・・・』
暫くして目を開けると少年は立ち上がった。
「どうしたノ?」
「なんとか、終わりました」
「結果ハ?」
「・・・なんとか成功しました」
「エッ!?」
「これでコイツは俺のものになりました。手伝ってくれてありがとうございました」
『本当にやっちゃったよ、この子・・・』
すると次の瞬間ウロボロスが輝き出し、その姿はどんどん小さくなっていった。
最終的に小型のドラゴンになってしまったウロボロスは少年の肩に乗った。
「ギャアッ!」
「お前、縮んでも威勢はいいんだな」
「ギャアッ!」
「よろしく頼むぜウロス、お前がこの世界ではじめての相棒だ!」
「ギャウッ!」
少年はウロスと名付けたウロボロスを両手で持ち上げた。ウロスは威勢のいい鳴き声をあげる。
その姿にアリシャはというと───。
「ほんと無茶苦茶だネ、君」
「無理を通すのが自分のポリシー何でね♪さて、これからどうすっかな〜・・・」
そう言って少年は近くに落ちてる棒切れを立てて離した。
その方角は───。
「これまた北か・・・北っていうと・・・」
「プーカ領だヨ」
「プーカ・・・」
楽器演奏と歌唱に長けた音楽妖精、《プーカ》そこには勿論神龍が生息している。
《奏龍・ハルビオン》音楽のプーカ領らしい名前である。
「そんじゃ、俺はプーカ領に行くんでここでお別れっすね」
「ねぇ、あなた何者なノ?とてもケットシーって感じじゃないんだけド・・・」
少年はその言葉に不適な笑みを浮かべた。
「さすが、領主。人を見る目はあるようですね♪」
「どういう・・・?」
「俺は何者でもない、Unknownというわけです♪」
「正体・・・不明・・・?」
「では、俺はこれで!」
「あ、ちょっト!!」
アリシャは少年を追おうとしたが、そこにはもう少年はいなかった。
目の前にいたはずの少年は霧と同化するがごとく消えていたのだ。
「何者なノ?、彼ハ・・・」
やがて霧は晴れていき、木漏れ日がさす。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
遥か遠く、高くそびえる蝶の谷の山頂。しかしそこは妖精が到底辿り着けない高度にあった。彼はそこにいた。
「おーおー、まさか限界高度を余裕で越えるとはな・・・」
薄汚れたフード付きのコート、両手には銀のガン
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