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子供嫌いの俺が子育てをする件について
祐一の決断
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そうに聞いている。

「確かに本当だけど…」
「だけど?」
「どちらかといえば苦手なだけだ」
「そうなんですか?」
「ああ、面倒というかなんというか…それでムカつくってわけじゃねえしな」
「後悔、してないですか?」
「してねえよ」

そう、不思議と後悔は全くない。それに俺がしなかったら祐太が俺の反対を押し切ってでもこいつらを引き取るっていうだろうしな…

なんだかんだで俺も祐太も祐理の兄弟なんだと実感させられる。
中央線に乗りたどり着いたのは立川市、ここに俺の家がある。

「へえ、意外に都会なんですね」
「お前喧嘩売ってんのか?まあいい、とりあえず飯だな」

家に着く前にどこかで昼食を食べないといけない。今家には食材がないのだ。
立ち寄ったのは人が少なかったレストランだ。値段は高めだがまあ、貯蓄が無いわけではないので問題はない。空は値段を気にしていたが…

「狭いって言ってた割には広いですね」
「そうか?」

俺の住んでるのはちょっと高めの賃貸マンションだ。一人で住むには広いかもしれないが四人で住むとなると狭くなるだろう。

「悪いが、お前ら三人で一部屋でいいか?」
「え?それはぜんぜんいいですけど…」
「ならちょっと待ってろ」

俺はある部屋に手をかけて開ける。

「「うわぁ…」」

ここにある字を片付ければ部屋を一つ開けられる。

「これ、叔父さんが書いた字ですか?」
「ああ」
「ちょっと怖いかも…」

まあ確かに部屋一面に習字の字が貼ってあったらちょっとしたホラーかもな。ひなはかなりはしゃいでいるが。

「おいたんこれすごーい!」
「て、ひな!ダメよ!」
「別にいいよ、練習用に書いたもんだし」

ひなが部屋に入り字をいくつか踏んでいたがまあ、練習で書いたやつなのでいいとしておこう…ちょっとムカつかなくもないけど。

「叔父さんの名前って祐一ですよね?」
「そうだけど?」
「じゃあこの秀翠ってなんですか?」

美羽が一枚の字を手に取り『秀翠』と書かれている部分を指さしながら聞いてくる。

「ああ、それね。雅号だよ、俺の」
「雅号?」
「あ〜、なんつったらいいのかな…あ!あれだ、ペンネームみたいなもんだと思えばいい」
「書道にもそういうのがあるんですか?」
「ああ、まあな」

などというちょっとした質問があったが何とか部屋を片付けた。結局空たちには手伝ってもらったが…

「しまった…部屋を片付けたのはいいが布団とか机とかなんもねえな」
「考えてなかったんですか?」
「ああ、忘れてた」
「どうするんですか?」
「とりあえずこれに必要な物書け」

空たちに紙と鉛筆を手渡し必要な物をリストアップしてもらう。女子に必要な物は俺には
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