7話
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追撃する。両の拳から一撃一撃が骨を粉砕する攻撃が連続して放たれる。
アルゴは手足を使い、何とか流しているが、四肢が青く染まっていく。あまりにも重い拳を受け流しきれていないのだ。決め手にはならないがダメージは蓄積している。
夕は一瞬拳を止めてためを作る。そうして繰り出された拳をアルゴは受け流さずに横に飛んで回避する。避けられた拳は後ろの結界にぶつかり停止する。結界には一瞬罅が入り、すぐに修復される。
アルゴは夕に身体を向けたままバックステップで距離をとる。
「恐ろしいラッシュだ。腕が青アザだらけになったぞ」
「骨を砕くつもりでやったからな。防がれたけどな」
「だが、まだ足りぬ!」
アルゴが夕の視界から消える。夕はすぐにアルゴを見つけてガードしようとするが身体がついていっていない。アルゴの拳が夕の腹部に直撃する。だが、アルゴはすぐに距離をとる。
「(なんだ。今の鉄を殴ったような感触は!)」
「体を鋼の様に固くする技、鉄塊だ。並み人間なら殴った拳のほうがダメージを負う」
一瞬呆然としたアルゴだったがすぐに先ほど以上の闘志を見せる。
「…これだ…私が求めていたものは。純粋な肉弾戦…これこそ私の戦いだ」
「気に入ってくれたなら戦っている甲斐があるよ」
「本当に感謝の言葉もない。魔法に頼った腑抜けた格闘家とは違う。純粋な武を持つものとの戦い。魔法文化のないこの世界に来たかいがあった…もっと楽しませてくれ三河夕よ!」
「望むなら、いくらでも」
「おぉぉぉぉぉ!」
アルゴはまたしても夕の視界から一瞬消える。
アルゴはその巨体から考えてられないようなスピードで動く。いやその鍛えあげられた肉体から繰り出されるスピードこそ彼の本領だ。それに加えて加速する前に特殊なフェイントを入れてくるので慣れるまではどうしても消えたように感じてしまうのだ。加速中も極端な緩急や特殊な足捌きを混ぜてくるのでユウはうまく対応できないでいた。
目では追えるのに身体がついていかない。夕はここにきて防御に徹することになる。
「まだまだいくぞぉぉ!」
攻守が逆転し、アルゴは鉄塊をかけた夕の全身を殴打する。
「調子に…のるな!」
夕は足を大きく振り上げる。その振り上げた足に複雑な模様の彫ってある金属のレッグプロテクターが出現する(バリアジャケットの応用)。プロテクターは膝から足首の上あたりまで覆っている。ユウそのまま思いっきり足を降り下ろす。
人間の足の力は腕の3、4倍。腕の力でコンクリートを砕くのだ。その数倍の足の力が振るわれ、金属のプロテクターに刻まれた模様に空気の圧力がかかれば巨大な空気の塊を放つことさえ可能。
「なに!ぬぁぁぁぁ」
アルゴは吹き飛ばされてこそいないが動きが鈍る。その止ま
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