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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第335話】
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に・ん♪」
そう言って上体を前へ倒し、人差し指を立てながらウィンクする鈴音――それにびっくりしたのか、若干顔が赤くなった一夏に、思いっきり背中を叩いた。
「〜〜〜〜〜〜っ!? いってーなぁっ、鈴!」
「アハハ! このぐらいで痛がってんじゃないわよ!」
ニシシッと白い歯を見せて笑うと、やれやれといった感じで苦笑する一夏。
「……さて、俺はそろそろ部屋に戻るとするかな。 ――ヒルト、世話になったな? 出来ればこのままお前と相部屋――」
「悪い。 一人の方が気が楽だ。 ……てか一夏と四六時中いたら下らない親父ギャグを延々と聞かされるし……」
「え? なんだって?」
相変わらず難聴は平常運転の様だ。
まあ別に良いがな、どうでもいいところでの難聴に苛々しないし。
軽く微笑を溢す。
それを見て一夏は首を傾げながら荷物を肩に背負うと――。
「んじゃ、また明日寮の食堂でな」
「ん? あぁ、時間が合えばな」
俺はそれだけを言い残す。
一夏の方も、首を縦に振るとそのまま俺の部屋を後にした。
「……これで、良かったんだよね……」
静寂が訪れた室内に反響する鈴音の声。
それに反応して俺は彼女の方へと振り向くと――。
「……鈴音」
目から頬へと伝う一筋の雫がポタッ、ポタッと床を濡らしていく。
「あ、あれ? あ、あはは……な、何で涙が流れるんだろ? あ、あはは、ご、ごめ……す、すぐに涙をとめるから……っ」
コシコシと何度も手で涙を拭う――だが、涙は止まるどころか、どんどんと溢れ出ていた。
せめて泣き顔は見せまいと、俺に背を向けた鈴音。
「……泣くのは恥ずかしい事じゃないさ。 ……お前にとって、初恋だったんだからな……」
「うっ……く。 ひ、ひる……と……。 ぐすっ……ひっく……」
何度か嗚咽を漏らす鈴音――振り向いた鈴音の顔は、涙でくしゃくしゃになっていた。
そんな鈴音を落ち着かせようと、俺は半ば強引に鈴音を抱き寄せた。
「……泣けばすっきりするさ、俺なんかの胸で良かったら貸すから、な?」
「……あ、ありが……ひっ……ひっく……とぅ……!」
声にならない程の嗚咽だったが、ありがとうと言い終わると鈴音は俺の胸にしがみつく様に泣き始めた。
そんな鈴音の頭を優しく撫でる――洗髪したてなのか、更々とした髪の艶やか差が凄く綺麗に思った。
それから暫くして――。
「……ひ、ヒルト? ……その、ありがとね?」
「ん? ……気にするなって、俺の胸で良ければいつでも……な?」
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