2ndA‘s編
外伝〜If/ライがもしサーヴァントとして現界したら〜
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滅ぼし、一度は全てを失ったが再び立ち上がり、犠牲を築きながらも守りたいものを守ろうとし、結果的に世界を救った大罪人。
歩んだ道のりも、掴んだ結果も、その有り様も決定的に違うのに、その根底は同じ。
『自分が望んだものを救いたい』
たったそれだけの為に世界を敵に回すことができる二人は、やはりどうしようもなく似通っていた。
〜王との問答〜
「正義など、その時代、その状況、人の道徳観などでいくらでも含む意味を様変わりさせる言葉だ。そんな曖昧な物を貫き通したいのか?」
バーサーカーの問は簡単なようでいてそれでいて重かった。
「俺は誰かを救いたい。その気持ちに嘘はないって断言できる。そしてそんな自分の夢を表す、一番解りやすい言葉が正義の味方なんだと思う」
絞り出すように自分の中の言葉を口にするセイバーのマスター、衛宮士郎。イリヤの父親である衛宮切嗣の養子であり、イリヤの弟に当たる存在。
「生かすことが救いなのか?死にたいと思う人間を生かすのは罪ではないのか?」
「それは――」
「生きるために他人を犠牲にしなければ生きていけない存在もいる。それは悪かもしれない。だが、生きたいと願うのであればその犠牲を許容しなければならない。そうなった時どうする?」
「……」
切り捨てることは悪なのか?
そして悪を犠牲に多くの人を救うのは本当に正義なのか?
彼の中で生まれる当然の疑問。
その答えを彼は持ち合わせてはいなかった。
「この場ででるような簡単な答えではない。なればそれは貴様が生きることで証明すればいい」
「え?」
「貴様が信じる正しさが何を成し、何を残すのか。それを自分で確かめたいのであれば生き続けろ」
上からの偉そうな物言いであるが、それはある意味本当の正義を見つけ出すことよりも難しいことであった。少なくとも衛宮士郎にとっては。
自分が生きる残ることを前提に人助けを行う。そんな当然のことであっても、彼は自分ではなく他人を優先してしまう。それは強迫観念でもなく、暗示でもない。
それが衛宮士郎にとっての当たり前なのだから。
「そこまでだ、バーサーカー。これ以上、私のマスターを惑わさないで貰おう」
これまで静観を決め込んでいた士郎のサーヴァントであるセイバーが口を挟む。彼女からすれば、バーサーカーの士郎を諌めるような言葉は寧ろ歓迎するところなのだが、聖杯戦争中に士郎の心が折れるのは避けたかった。
「セイバー、君の願いもイリヤを通して聞いた。故国の救済を望むとか」
「違う。今の私の願いは自分以上に相応しい王を選び直すことだ」
「……ふざけているのか?」
バーサーカーの物言いにセイ
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