2ndA‘s編
外伝〜If/ライがもしサーヴァントとして現界したら〜
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「これは……」
男の背後の空間から様々な武器がその姿を表す。その数20近く。それらは全てバーサーカーに向けられ、いつでもその戦いが始められることを主張する。
「宝具……サーヴァント」
「ハッ」
今更気付いたかと言うように男は嘲笑を漏らし、翳していた手を振り下ろした。
途端、男の背後に控えていた全ての宝具が放たれる。
常人では目で追えても反応はできない領域。イリヤとアーチャーと呼ばれた男のマスターである少年は、バーサーカーの元に着弾した結果しか見ることができなかった。
着弾したことにより煙が舞うその場所に、三人は視線を向けている。
「ハ、ハハハ、なんだよ。え、偉そうなこと言ってた割にはてんで弱いじゃないか!!」
「「……」」
煙からなかなか姿を現さないことから少年は場違いな言葉を吐く。残りの2人は煙を見ているがその目つきは明らかに違っていた。
イリヤはどこか誇るように唇を笑みの形に変え見ている。そこにはあるのは絶対的な信頼。
対して男性の方は少量の驚きと絶大な殺気を滲ませ、好戦的な表情を浮かべている。
煙が晴れるとそこには、バーサーカーがしっかりと立っていた。先ほど違うのは片手に剣を持っていることと、彼の周りに深い傷跡と幾多の武器が刺さっていること。
「な、なんで生きてんだよ、お前!」
癇癪を起こしたように喋る少年にはもう意識も向けず、バーサーカーは口を開く。
「アーチャー、貴様が規格外のサーヴァントであることは理解し、実感した。だが、こちらも目的と、それを成す為の力がある。気を抜いているのであれば、その喉笛を喰い千切るぞ」
「吠えたな、雑種」
そして規格外同士の戦いが始まる。
〜人を救いたかった者と世界を救った者〜
鉄と鉄が打ち合う澄んだ音が響く。それは反響を起こす前に2回、3回と続いていき、まるで土木作業用の機材のように轟音を響かせていく。
それは赤き弓兵と銀の狂戦士の戦い。人を救うために自らを犠牲とした者と世界を救うことの終止符として自分の死を選んだ者。似ているようで決定的に違う道を選んだ2人。
彼らは手にした剣に自らの願いと想いを込めて打ち合う。
剣戟は音と火花を散らし、そしてお互いの想いもぶつけ合う。
「アーチャー、貴様の諦めた末路を過去に押し付けるな!!」
「貴様は分からないだろうな!!裏切られる事を自ら認めたとしても、それでも支えてくれる友がいた貴様には!!」
「八つ当たりをするんじゃない!!英雄にまで上り詰めた存在が言うことか!!」
片や、自分を含めた何かを切り捨てて全てを救おうとした――――『正義の味方』という曖昧な理想に手を伸ばし続けた愚か者。
片や、自国を
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