2ndA‘s編
外伝〜If/ライがもしサーヴァントとして現界したら〜
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であるイリヤスフィールであった。
彼女の目の前の床には水銀で描かれた魔法陣。その魔法陣に片手を翳し、彼女はその小さな口を開き、人々によって神格化された神秘を具現化するための言葉を紡ぎ始める。
長くも短くも感じる詠唱の中で、彼らの意図を挟む言葉が紡がれる。
「――――誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。
されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者――――」
可愛らしい外見と声音からはかけ離れたイメージの言葉が詠われる。その言葉によりサーヴァントに1つの楔が打ち込まれた。
「――――汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ――――」
濃密な魔力が光を放ち迸る中、詠唱は詠い遂げられる。そして光が収まる頃に“ソレ”は魔法陣の中心に立っていた。
「サーヴァント『バーサーカー』契約に従い此処に参上した」
能力値を上げる代わりに理性を奪われる筈の“ソレ”が堂々と名乗りを上げたことにマスターであるイリヤスフィールは驚いて眼を丸くする。
「問おう、貴方が僕のマスターか?」
開幕される第五次聖杯戦争においてソレがまず初めのイレギュラーであった。
以下ダイジェスト
アインツベルンの領地・雪の降りしきる森
理性を持ち、更には歴史に名を残すどころか平行世界の聞いたこともない名を持つ英雄を召喚したことで、アインツベルンの城ではちょっとした騒ぎとなった。
経歴不明のサーヴァントの性能とイリヤのマスターとしての教育として、野生の獣が蔓延る森の中に彼女とサーヴァントである彼は置き去りにされた。
サーヴァントである彼は固有スキルによりクラススキルである『狂化』を無効化しているため、冷静な思考の中で彼女が自力で城に戻ることは不可能であると確信していた。
「ッ」
普段は幽体化している肉体を実体化しようとしたところで、マスターであるイリヤの表情が曇り歯を噛み締めたことで反射的にやろうとしたことを取りやめる。
聖杯戦争が行われる上で、サーヴァントが受けられるバックアップ。それは聖杯からの恩恵が大きく聖杯がなければサーヴァントの実体化は困難である。だが、聖杯戦争が行われる事を察知してから早急にサーヴァントを召喚したアインツベルン。
その為、受けられるはずの聖杯からのバックアップを満足に受けることができない今、サーヴァントを実体化させようものならマスターであるイリヤにその負担が全て向かうことになってしまうことになっていた。
実体化しなければマスターを生きて帰還させることはできず、実体化したとしてもマスターを苦しめ傷つけてしまう現状に歯噛みしつつ、ギリギリまでイリヤの様子を見守るバ
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