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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第48話 零治が消えて………
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声が上がる。

『元々アイツ等の目的がマスターの捕獲だったみたい。それで恐らくはマスターを操って利用する為………』
「なるほど………だから冥王教会と水無月君を餌に誘き出し孤立させた………」
「今回の件は全て裏目に出てしまったと言うわけだ」

そんなトーレの一言に誰も返す言葉が無かった。

「で、でもレイ兄がそんな簡単に捕まって連れて行かれるなんてとても信じられないんスけど?」

そんな悪い空気を壊したのはウェンディだった。

「そ、そうだ!零治なら転移だって出来るし逃げることだって………」

それに同調してノーヴェが少し声を荒げながらそう答えた。

『全ては計算されていました。AMFを展開され、更に転移してきたブラックサレナに囲まれる様にくっ付けかれて身動きも取れなかった。マスターの転移は触れている物も一緒に転移させてしまう以上転移も出来ませんでした』
「なるほど………」

ジェイルがそう納得した事によって再び重くなる空気。

『そしてここからが本題です。クレインはマスターを操るのに聖王器の刀を握らせました。名をホムラと呼んでいました。その力は恐らく身体を乗っ取る事。握っただけで精神がホムラに乗っ取られ、その刀をマスターの手から離そうとして斬られました』
「聖王器………バルバドス、てめえ何か知らないか?」
『聖騎士クレアが使っていた炎の魔剣。それをデバイスに改造したと言われている』
「その能力は?」
『知らん』
「使えねえ………」

そう吐き捨てたバルト。

「しかしラグナル君の話を聞くとかなり高性能な洗脳………いや、ここまでくると零治君は零治君では無くなっているかもしれない」
「ちょっと、ドクター………!!」

直球過ぎる物言いにウーノさんがジェイルに異議を唱えようとしたが、ジェイルは変わらなかった。

「私も零治君を信じている。だがそれでも最悪の事態を想定しなくてはならない。私の予想だとクレインは零治君を使って一番障害になりそうな者を消そうとするだろう」
「障害になりそうな者………大悟や桐谷、機動六課のメンバーとか?」
「セインの言う通り私ならそうする。そう考えると奴も………」
「ちょっと待って下さい。何故ジェイルさんが考えたことがクレインの考えたことになるんです?」

その星の問いにウーノは困った顔でジェイルを見た。それを見たジェイルは優しく笑って返した。

「………それはクレインが私と同じくジェイル・スカリエッティだからだよ。正確に言えば冥王教会で作られたもう1人のスカリエッティと言えば分かりやすいかな」

そんなジェイルの言葉は何秒か時が止まっている様に全く反応出来ずにいた。

「驚くのは無理は無いよ。私も実際に確認したわけじゃ無いし証拠があるわけじゃ無い。
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