第二章
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悪役レスラーにとっては。
「酷過ぎるぞ!」
「御前はそれでも人間か!」
こうだ。客達は笑顔でチナに歓声を送る。
「御前みたいな奴はさっさと負けろ!」
「猪場出て来い!」
自然とだ。猪場を呼ぶ声がした。その間にだ。
額を割られた新条は無様にノックアウトされた。そうしてだ。
リングの上に仰向けに倒れた。観客達はその彼にも言った。
「また負けたなおい!」
「御前弱いんだよ!」
「弱過ぎるんだよ!」
彼にもだ。歓声があがる。
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