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人たらし
第三章
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ゃ」
「確かな者はその相手の心を見ますな」
「左近は佐吉の心を見た。それで決めたということじゃ」
「そしてそれが」
「うむ、あ奴を見出してくれたのじゃ」 
 こう言うのだった、そして。
 そのうえでだ、秀吉は秀長にこうも言った。
「左近はこれからやってくれるぞ」
「天下、豊臣の為に」
「佐吉と共にな。その全てを捧げてくれるわ」
 秀吉は目を細めさせて述べた、そして彼の言葉はその通りになった。
 関ヶ原の時に島は死力を尽くし石田と共に戦った、そのあまりもの戦ぶりに彼は鬼とまで言われた。それは全て石田が彼を召し出したことからはじまった。石田三成もまた人たらしだったということであろうか。


人たらし   完


                 2013・12・20
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