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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
天使炎上篇
15.天使炎上
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ように顔を寄せてきた。一瞬見えた彼女の瞳には、いつもの悪戯をするような感じを感じた。そして彼女は、彩斗の唇に自らの唇を押し当てた。
「───ッ!?」
その場のラ・フォリア以外の時間が止まった。
誰も今何が起きているのか、理解出来ずにいる。
彩斗も動けずにいる。ラ・フォリアは、それをいいことに好きなだけキスをし続ける。
それは、吸血のときよりも長いキスだった。
ようやく彩斗を解放する。
「それでは、ごきげんよう」
天使のような笑顔で手を振りながら、降りていくラ・フォリア。
「あ……王女、お待ちを……」
紗矢華がラ・フォリアを追いかける。
自分でも起きたことが全く理解出来ずにいる。
だが、彩斗の少し遅れて顔が赤面していく。それは先ほどなど比べものにならないくらいにだ。
「彩斗君!」
必死で顔を元に戻そうと奮闘している最中に、声が聞こえた。
その声の主は、長髪をショート風にまとめた小柄な少女。古城の妹の凪沙だ。
「ね、な、今の誰!? 夏音ちゃんにそっくりだけど外国の人だよね。すごい美人ていうか、王女様みたいっていうか。なんであんな人と知り合いなの。なんで彩斗君とキスしてたの。どうしたのその制服。なんか切られたみたいにまってるけど。ていうか古城君はどこに行ってたの。なにその格好。昨日も家にも帰ってこなくて心配したんだから!」
「な、凪沙!? おまえ、なんでこんなところに……!?」
早口の少女の言葉に古城が応える。
凪沙にどんな言い訳をしようかと考えているとそこに新たな人影を見つけて、彩斗は顔を引きつらせる。
ここで彩斗は、大事なことを忘れていることを思い出す。
「あたしが連れてきたの。煌坂さんが、あんたたちがこの船に乗ってるって教えてくれたから」
「あのやろう……余計なことを……」
紗矢華を少し罵倒しながら、必死でこの場を逃れる言い訳を考える。
「まあいいわ。時間はたっぷりあることだし、絵のモデルでもやりながら、ゆっくり聞かせてもらおうじゃないの」
「って……勘弁してくれよな」
赤面する顔が一気に青ざめながら緒河彩斗の長く過酷な夜が始まろうとしていることに深くため息を洩らすのだった。
同時刻。
「やっぱり、止めてくれたんだ」
少女は、安堵したようにため息を漏らす。
船上ではしゃぐ皆の姿を見ながら少女は笑みをこぼす。
“第四真祖”暁古城を殺すためにこの島にやってきた“剣巫”姫柊雪菜が普通に彼と会話し、接している。
「いいな、雪菜……」
愚痴を漏らすようにボソッと呟いた少女は、地面に置いた黒い大きなギターケースを背負い直す。
「ボクもそんな風になれ
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