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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
天使炎上篇
15.天使炎上
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、決して触れられない天使の翼を、周囲の黄金の光ごと喰いちぎった。

模造天使(エンジェル・フォウ)余剰次元薄膜(EDM)を、喰った……だと!?」

 翼を失った模造天使(エンジェル・フォウ)は堕ちる。

「あの眷獣──次元喰い(ディメンジョン・イーター)か! すべての次元ごと、空間を喰ったのか!?」

 あれが第四真祖の眷獣。双頭龍の顎が喰ったものはこの世界から消滅する。
 これが遥か高みの高次元から地上へと引きずり降ろす力だ。
 これで古城の攻撃は模造天使(エンジェル・フォウ)へと通用する。
 だが、夏音の身体は神気が勢いを増す。
 夏音の身体は巨大な翼に不釣り合いなほどの神気が炎を噴き上げる。

「そうだ。まだ同じ次元に墜ちただけ──高次空間から流入する神気が失われたわけではない」

 喰いちぎられた翼が再生する。その翼は無数の光剣が無差別に放たれる。

「やめろ、叶瀬!」

 古城が必死に叫ぶ。
 無限に再生する天使を倒すには、夏音の霊的中枢を破壊するしかない──

「そうだ。たとえ真祖の眷獣が相手でも、模造天使(エンジェル・フォウ)が敗北するはずがない。我々は負けない。負けられないのだ──!」

「くそっ! なんでだ!? これでも駄目なのかよ、叶瀬──!?」

「いいえ、先輩。わたしたちの勝ちですよ」

「あぁ、俺たちの勝ちだ」

 彩斗の横には制服姿の小柄な少女が、銀の槍を構えて古城の前に立つ。

「──姫柊、彩斗!?」

 彩斗は勝利を確信したといわんばかりに右腕を模造天使(エンジェル・フォウ)へと向ける。

「──来い、”海王の聖馬(ポセイドン・ユニコール)”!」

 海王の一角獣(ユニコーン)が顕現とともに彩斗へと向かい突進してくる。
 彩斗の身体に直撃するとともに一角獣(ユニコーン)は強烈な閃光を放ち爆発的な魔力を生じる。
 魔力は凝縮され、彩斗の身体を包み込む。
 それは、膝丈まである漆黒のロングコートへとその姿を変える。
 漆黒のコートが翻るとともに彩斗は右手再び、強く握り締める。
 大気中の漂う水分。さらには原子である水素と酸素を結合させる。
 出現した水は、模造天使(エンジェル・フォウ)へと続く階段へと姿を変える。

「いけ、姫柊!!」

 雪菜は迷いなくその階段を駆け上がる。

「獅子の神子たる高神の剣巫が願い奉る──」

 雪菜が構えた銀色の槍が、祝詞に呼応する。あらゆる結界を切り裂く魔力を無効化する降魔の光だ。

「破魔の曙光、雪霞の神狼、鋼の神威をもちて我に悪神百鬼を討たせ給え!」

 雪菜の槍が、模造天使(エンジェル・フォウ)の肉体に接触する。
 魔力を無効化する“雪霞
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